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2019年06月07日

「丸武事件」から見る外国人就労者雇用の注意点(6/7)

丸武の伊藤社長が、入管法違反で書類送検されました。

2018年3月には、ラーメン店「一蘭」でも同様に、不法就労をさせたとして社長以下7名が書類送検されるという事件が起きました。

なぜこのような事件が後を絶たないのでしょうか。

不法就労についての認識

TBS NEWSの取材に、社長は以下のような回答をしています。

Q.従業員の不法残留は分かっていて雇った
 「分からなかった」(玉子焼き店「丸武」 伊藤光男 社長)

Q.在留カードは見なかった
 「見たんですけど、自分にはよく分からなかったから」

(玉子焼き店「丸武」 伊藤光男 社長)

TBS NEWSより

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20190607-00000019-jnn-soci

伊藤社長は、不法滞在者を雇用していたことで入管法違反となりましたが、当の社長は「不法滞在だと知らなかった」「在留カードは見たがよくわからなかった」と釈明しています。

不法就労助長罪になるケースとは

不法滞在とは、いわゆるオーバーステイの状態です。

日本に在留する永住者以外の外国人にはそれぞれ在留期限があり、その期日を過ぎると不法滞在(オーバーステイ)となります。

法務省の統計によると、平成31年1月1日時点における不法残留者は7万4千人に上ります。
このような状態の外国人を雇用することは、出入国管理及び難民認定法第73条の2に規定される「不法就労助長罪」に該当し、外国人本人だけでなく雇用する事業主にも罰則が適用されます。

不法就労助長罪となる3つのケース

不法就労に該当するのは、以下の3つの場合です。

(1) 不法滞在者や退去強制させられた外国人が就労している場合
(2) 出入国在留管理局から許可を得ていないのに就労している場合
(3) 出入国在留管理局から許可された範囲を超えて就労する場合

今回の丸武のケースは(1)に当たります。不法就労助長罪は外国人就労者だけでなく、雇用している事業主にも同様に適用されます。

  • 出入国管理及び難民認定法
    第73条の2  次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

    一 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
    二 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者
    三 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした者


日本に在留する外国人は日本人とは異なり、在留目的から様々な就労の制限があります。許可されている目的を超えて就労することはできません。

「知らなかった」「在留カードを見てもわからなかった」という言い訳は、残念ながら通用しません。うっかり不法就労助長罪に問われないためには、正しい外国人雇用の知識を備えておくことが非常に大切です。

不法就労を防ぐためにできること

では、不法就労を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?

(1) 在留カードを確認する

オーバーステイかどうかについては、在留カードを見て確認します。日本に在留する外国人は、身分証明書である「在留カード」を携帯することが義務付けられています。在留カードには、氏名、国籍、生年月日のほか、現在所有している在留資格、在留期間、在留期限などが記載されています。

(2) 中長期在留者の受け入れに関する届出

では在留カードの偽造のケースではどうでしょう。在留カードの偽造も後を絶たず、平成60年には620件に上りました。オーバーステイ状態となってしまった外国人が、こうした偽造在留カードを所有していることは十分に考えられます。
在留カードを見ても、適切な在留資格を持って在留し、期限もまだあります。非常に精巧に作られているため、外見からは判断できません。こういったケースでは、どのように予防すべきでしょうか。

引用:産経新聞
https://www.sankei.com/affairs/news/190129/afr1901290001-n1.html

外国人を雇用した場合、それが正社員でもアルバイトでも、雇用主は雇用開始日から14日以内に「中長期在留者の受け入れに関する届出」を管轄の出入国在留管理庁に提出することが義務付けられています。

仮に偽造在留カードを所持している場合でも、この届出さえきちんと行えば、出入国在留管理庁のデータベースと照会して不法滞在であることが明らかになり、不法就労を予防することができます。

雇用の際には在留カードを確認するだけでなく、必ず出入国在留管理庁に届出を行うようにしましょう。

まとめ

日本を訪れる外国人の数は、この10年で爆発的に増加しました。都内ではコンビニ、飲食店などの至る所で外国人が活躍しています。
2019年4月に入管法改正による「特定技能」の創設、告示改正による留学生の受入業界の拡大など、外国人にとっては以前に比べて日本で就労するチャンスが増えています。

その一方で、雇用する企業の外国人雇用に対する知識は低いと言わざるを得ません。日本の労働人口の減少も相まって、外国人の雇用を検討する企業は今後さらに増加していくでしょう。人事担当者だけでなく社長や店長など、外国人雇用に関わる全ての人が、適切な知識を持って雇用することが大切ですね。

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