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廃棄物業界の最前線を感じてきた

先日、廃棄物業界の最前線を感じる事ができる場所に行ってまいりました。
環境展などの展示会にいってきたわけではありません。
よりリアルな場所です。それは全国産業廃棄物連合会。

全国産業廃棄物連合会とは

全国産業廃棄物連合会、廃棄物業界では略して全産連といわれますが、正式には公益社団法人 全国産業廃棄物連合会といいます。
産業廃棄物の適正処理を推進し、国民の生活環境の保全と産業の健全な発展に貢献することを目的として昭和53年に創立されました。
なんと僕が生まれた年と同じ。環境系行政書士として運命感じます。
産業廃棄物の適正な処理体制の確立のために全国の処理業者の組織化、経営基盤の整備、研修会の開催、処理技術の研究、福利厚生制度や保険制度の充実、専門誌の発行など事業を展開している全国組織です。

そこに何をしに言ってきたのかというと、その下部組織である全国産業廃棄物連合会青年部様にお呼びいただき、会議のオブザーバーとして参加させていただいたのでした。

全国産業廃棄物連合会青年部とは

全産連の下部組織と言っても、参加されているのは全国の有名な廃棄物事業者の社長様ばかり。
特に今回は正副会長、後半は全国青年部幹事会というまさに全国トップレベルの皆さまが集う会ですので、大変緊張しましたが、それ以上に非常に得るものも多い会でした。
環境省の調査では、廃棄物業界は市場規模5兆円、産業廃棄物の処理業者数は11万社を超えますが、全国から業界を代表するような社長様が集まり、廃棄物業界をより良い業界にすべく、長時間に渡り議論を重ねているのを体感できたのは行政書士という立場からも非常に勉強になることばかりでした。

廃棄物業界の課題

廃棄物業界は非常に多くの課題を抱えています。
世界的にリサイクル率が普及してくる中での経済の圧迫、なくならない不適正処理や不正輸出、法律と実態の乖離、業界に根付くイメージなど業界全体で取り組まなければ解決できない課題が山積みです。
しかし、実際にこうして自分たちのいる業界を良くしよう、より良い環境を後世に残していこうと、非常に忙しい業界のトップランナーたちが意見を出し合って、そして実行しているのです。
正直、一番驚いたのがその熱量でした。自分の会社が良ければいいと思う参加者は1人もいなくて、業界を良くしていかねばならないという使命感の強さに、僕達行政書士も間接的にでももっともっと環境行政に貢献していかねばならないと決意を新たにしました。
改めて僕達行政書士は、行政と事業者との間にたち、法的な側面を中心にサポートし、法の目指す社会を実現する仕事なんだと感じています。
事件は現場で起きているではないですが、法律の勉強とあわせて、こうして現場に触れ、最新の情報を蓄え、個人的に目指す環境系行政書士への道を極めていくべく研鑽していきたいと思います。

水銀含有産業廃棄物について法改正の注意点とは?

平成29年10月1日から産業廃棄物業界で大きな変更がありました。
もともと法改正の多い廃棄物処理法ですが、今回の改正は我々行政書士にとっても申請書が変わるという大きな改正でしたし、廃棄物を排出する側、処理を委託される側にとっても取扱いが大きく変わるものですので、今回は廃棄物処理業者にとって今回の改正で何がかあるのかをお伝えしたいと思います。

水銀廃棄物の適正な管理のための改正

今回の法改正の目的を一言で言えば水銀廃棄物の適正な管理ということができます。
この法改正のもとになった条約が水俣条約、水銀と水俣といえば歴史の授業でも必ず出てきますね。

水俣条約とは

2013年10月に「水銀に関する水俣条約外交会議」を熊本市及び水俣市で開催 「水銀に関する水俣条約」を全会一致で採択され、2017年8月16日に条約発効されました。
この条約の意義は下記のようなものになります。

  • 先進国と途上国が協力して、水銀の供給、使用、排出、廃棄等 の各段階で総合的な対策に世界的に取り組むことにより、水銀の人為的な排出を削減し、地球的規模の水銀汚染の防止を目指す。
  • 水俣病のような健康被害 や環境破壊を繰り返してはならないとの決意と、対策に取り組む意志を世界で共有し、水俣病の教訓や 経験を世界に伝える。

これをうけて国内の廃棄物処理法施工令も改正され、水銀の一次採掘から貿易、水銀添加製品や製造工程での水銀利用、大気への排出や水・土壌への放出、水銀廃棄物に至るまで、その扱いが大きく規制されることになりました。

産業廃棄物処理業者として注意するべきこと

今回の改正で、新たに「廃水銀等(特管物)」「水銀含有ばいじん等(普通産廃)」「水銀使用製品産業廃棄物(普通産廃)」が定義されました。

(※環境省資料から抜粋
たとえば、オフィスから排出された廃蛍光ランプは、『水銀使用製品産業廃棄物』に該当することになり、「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」と「金属くず」と「廃プラスチック類」に『水銀使用製品産業廃棄物を含む』という条件が必要になります。
ただし、すでに許可を持っている業者さんには経過措置が取るという自体が多く、下記のような取扱になっています。

  • 平成29年10月1日時点で「水銀使用製品産業廃棄物」の取扱いをしている処理業者については、引き続き取扱いが可能です。
  • 次の更新時に許可証の書き換えを行ないます。
  • 次の更新以前に許可証の書き換えを希望する場合は、「変更届」を提出します。
  • 平成34年10月1日以降は、「変更許可」として取り扱われます。

収集運搬や処理基準に注意

たとえば廃蛍光ランプを運搬する際には、水銀が飛散しないように破損を防止するために必要な措置をとったり、仕切りを設ける等で他のものと混合させないことが必要になります。
また、これらを処分するにも処分・再生を行う場合、水銀又はその化合物が大気中に飛散しないように必要な措置を講ずることや、水銀回収が義務付けられているものは、水銀を回収すること、安定型最終処分場への埋立は行わないことなどが定められています。
具体的な方法については各自治体でも運用が異なる点が見受けられますので、実際には許可をお持ちの自治体の運用方法を確認するのがベターです。

マニフェストや委託契約書にも注意

水銀含有ばいじん等または水銀使用製品産業廃棄物を含む産業廃棄物の処理を委託する場合、委託契約書にはその旨を契約書に記載する必要があります。
また、マニフェストにも産業廃棄物の種類欄に「水銀使用製品産業廃棄物」又は「水銀含有ばいじん等」が含まれる こと、また、その数量を記載することが必要です。
さらに、帳簿にも「水銀使用製品産業廃棄物」又は「水銀含有ばいじん等」に係るものであることを明記することが必要なほか、保管施設をお持ちであれば産業廃棄物の種類欄に「水銀使用製品産業廃棄物」又は「水銀含有ばいじん等」が含まれる ことを明記しなければなりません。

まとめ

ここまで簡単に今回の法改正における注意点をあげてきましたが、申請などの手続きだけでなく運営上でも大きな変更がある今回の法改正となりました。
10月1日からの施行ですので知りませんでしたでは通りません。
もしこれらの品目を扱う可能性がある場合には、お気軽に下記のフォームから弊社にお問い合わせくださいませ。

某カレーチェーンの廃棄カツ横流し問題の今

カレーはナンよりライス派の産廃担当の石下です。
去年のはじめ、世間を賑わせた某カレーチェーンの廃棄カツ横流し問題がありましたね。
実はあの事件、このカレーチェーン店が委託先の産業廃棄物処理業及び会長を相手に提訴していました。

廃棄カツ横流し問題とは

廃棄カツが処理業者から岐阜県羽島市の製麺業者に横流しされ、その後スーパーなどに流通したこの事件。
大手チェーン店で起きた事件ということもあり、マスコミも連日特集をしていました。
その流れでちゃっかり自分もフジテレビさんから取材をいただくほど日々取り上げられていたほどです。

この問題は大手だったということで注目された以外にも、廃棄物に関わる事業者の方々には大きなショックを与えました。
許可を持っている業者に処理を委託したのに、不正転売という不適正な処理をされてしまい、挙句、マスコミに社名公表されて大きな損害を受けたからです。
明日は我が身といいますか、どうやったら不適正処理に巻き込まれないかについて、しっかり向き合うきっかけになった事件とも言えると思います。

訴えの内容とは

放置されたビーフカツの処理を肩代わりさせられたこと及び社会的信用が失われたとして、委託先の産業廃棄物処理業者と会長に約2千万円の損害賠償を求めています。
既にこの会長や製麺業者の元実質的経営者の男性ら3人は、平成27年8~11月の間に廃棄委託された冷凍カツ約6万枚を処分したと虚偽報告し、委託料約28万円を詐取するなどしたことについて詐欺罪などに問われ、いずれも有罪判決が確定しています。
また、愛知県も処理業者が処分せずに倉庫に残した廃棄物の撤去費用約4千万円を請求していますが、支払いのめどは立っていないとのことです。

不適正処理の背景にあるもの

そもそもなぜ不法投棄や今回のような不正転売が起こるのでしょうか?
その大きな理由は財政上の問題です。通常の取引をするよりも、処理費用がかからない不法投棄や、処理費用をもらっているのに処理せずに転売してしまうのは、会社が傾いているからという理由が大きいのです。
もちろんこの場合には賠償命令が出たとしても支払えるような体力はないでしょうから、結局は廃棄物を排出した会社、つまり処理の委託をしたほうが責任を持って自腹で撤去なり原状回復しなければならないわけです。
処理を委託したのにちゃんと処理されずに損害が発生したのですから、損害倍書の請求はできるでしょうが、今回もきっと支払い能力はないのではないだろうかと思います。それでも提訴に踏み切っているのは、おそらくは自社のイメージ、つまり自分たちは被害者だということを伝えたいのではないでしょうか。

廃棄物の処理を委託する際の注意点とは

今回のケースではそもそも処理の委託費用が極端に安かったと言われています。これほどの大手のチェーン店の担当者が、あまりに安い処理費用何も感じなかったとは考えられないと思っています。
しかも、保管状況を見ても、容易に横流しができるような状況だったと言われています。これでは完全に被害者とは言えないのではないでしょうか?
以前にも排出事業者責任については触れましたが、廃棄物については処理を委託する側、つまりゴミを出す側にも適正処理のための責任があります。具体的には、ちゃんと処理してくれる事業者に処理を委託しなければならないのです。
そのためには、人任せにせず、当事者意識を持って、処理業者と密にコミュニケーションを取って情報共有をし、適切に処理されているかをしっかり確認していくことが必要です。
図解明解 廃棄物処理の正しいルールと実務がわかる本 排出事業者責任に問われないためのリスクマネ…/翔泳社

排出事業者として注意すべきポイントに付いての詳細はこちらの本に書かせて頂いていますので、気になる方はぜひ呼んでみて下さい。
読むのが面倒であればぜひ下部の問い合わせフォームからご連絡くださいませ。
夜中にカレーの記事を書いていたらカレー食べたくなってきたので今日はこのへんで。

使わない理由がない?電子契約書のメリット

IOT、クラウド、AI・・・
どんどん時代は進化しています。
その流れの一つがペーパーレス、電子化です。僕も今ではほとんど本は電子書籍で読んでいますし、新聞も電子版を事務所で購入し、各自に支給しているiPhoneで読めるようにしています。
そんな電子化の中で、これから置き換わっていくであろう電子契約書についてメリットをまとめてみました。

電子契約書とは

そもそも電子契約とは、電子文書を互いにインターネット上のサービスを用いて契約を締結するもので、企業のサーバーや外部のデータセンターなどに電子データを保管しておく契約の方法のことです。
これまで契約といえば「紙と印鑑」によるものでしたが、電子契約による契約締結も法的環境の整備や技術の向上によって着実に広まってきています。

電子契約には下記のようなメリットがあります。

経費削減できる

契約書に収入印紙を貼らなければならない文書であるかどうかは、印紙税法第二条において印紙税の対象となる課税文書が定義されており、国税庁のホームページにも記載されています。(国税庁のHP:印紙税額一覧表
そして印紙の金額は契約の種類だけでなく、契約される金額によって200円~60万円まで変わります。
例えば建設業の場合には工事請負契約書、工事注文請書は契約金額に応じて200円~60万円の印紙代がかかります。また、当該建設業の現場から出た廃棄物の運搬を委託する場合には、運送に関する契約書として200円~60万円、処分を委託する場合には請負契約書として200円~60万円のうち、それぞれの契約金額に応じた印紙を貼らねばなりません。
ただし、産業廃棄物処理委託契約書が、営業者間で継続的に生ずる取引の基本となる契約書で、契約期間が3ヶ月を超えている、または、契約期間が自動更新される場合は、継続的取引の基本となる契約書にも該当し、4,000円の印紙を貼ることになります。
これらの印紙代は電子契約書にすることで不要になります。
また、紙の契約書のやり取りの場合、メール等で内容を相互に確認後、印刷、製本し、郵送でやり取りをするのが一般的だと思いますが、電子契約書の場合には印刷、製本、郵送が不要ですのでこれらの経費もカットできます。

管理しやすい

建設業や産業廃棄物業務などでは、契約書の保管が法律で義務化されています。しかし、紙の契約書の場合には量もたまりますし、場合によっては保管のために事務所などを借りるような場合もあります。
この点に関して電子契約書ではクラウドなどにデータを保管するため、紛失するリスクもなく、過去の書類を確認する必要があるときには、検索機能を利用して書類の名前などで簡単かつ迅速に検索することもできます。
また郵送にかかる時間の短縮もできますので契約締結までがスピードアップされる他、業務効率化にもつながります。

コンプライアンスを強化できる

書面での契約書をの場合、契約締結の改ざんや紛失などのリスクがあります。
特に大量の契約書を締結するような建設業や産廃業の場合には契約書の管理も非常に大変です。。
一方で電子契約の場合には契約書を電子データとして一元管理することで、紛失リスクを回避し、改ざんなどの恐れも少なくすることができます。
業種によっては契約書の保管義務違反について罰則もありますので、電子契約書によって適正に管理できることは大きなメリットになります。
特に排出事業者責任がかかるような産業廃棄物に関する契約書ではコンプライアンスの見地から電子契約書を導入するメリットは大きいと思います。

まとめ

電子契約書は上記のように印紙税がかからないだけでなく、保存コスト、用紙代や印刷、郵送にかかるコストもカットでき、契約締結にかかる時間も短縮できます。
また、データの管理も容易になりますので業務が効率化して生産性を向上させることもできますし、法令遵守にも役立ちます。
今後一般的になっていくのは間違いないので早めに導入を検討してみてはいかがでしょうか?
ちなみに弊社では産業廃棄物処理業や建設業に特化した形で電子契約書サービスも扱っておりますので、ご興味のある方は下記フォームからお気軽にご相談下さいませ。

廃棄物を適正処理するのに最も必要なこととは?

※この記事は産廃業・建設業に関心のある方向けの記事です。
田舎育ちで自然大好きな環境系行政書士の石下です。
毎日沢山の廃棄物が家庭や企業から出ています。
こうした廃棄物が適正に処理されなければ、地球はどんどん汚染され、資源は枯渇し、未来に今の環境をバトンタッチできなくなってしまいます。

廃棄物の適正処理のために最も必要なこととは

そもそも不適正な処理とはどういうことでしょうか?

  • 不法投棄
  • 不正輸出
  • 不法焼却

などが挙げられます。
適切な処理なく山や川などに捨てられてしまえば自然に帰ることはなく、場合によっては環境に致命的な悪影響を与えてしまうこともありますし、不正に輸出されてしまえば、日本以外の国で同じような環境汚染を引き起こす可能性があります。
不法に燃やされてしまって体や自然に有害な物質が悪影響を及ぼすこともあるかもしれません。

処分業者だけの責任ではない

廃棄物を運ぶにも、処理をするのにも、それぞれ産業廃棄物収集運搬業、中間処分業、最終処分業という許可を取得する必要があります。
一定の要件を満たさす事業者のみがこれらの業務を行うことができるのは、逆に言えばそれだけ環境に直結する重要な業務であるのです。
当然ながらこうした事業者は法令のもと、適正な処理を行う義務があります。
しかし、産業廃棄物の事業を行う側のみでは廃棄物の適正処理は推進できません。

排出事業者責任とは

廃棄物処理法では、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。(第3条)」と規定し、排出事業者の責任が明確化されています。

また、「事業者はその事業活動に伴って生じた廃棄物に再生利用等を行うことによりその減量に努める」、「事業者は、廃棄物の減量その他その適正な処理の確保等に関し地方公共団体の施策に協力しなければならない」ことが規定されています。

排出事業者の責任違反には厳しい罰則もあります。

適正な処理は排出事業者から始まる

廃棄物が適正に処理されるためには、まず適正な処理は廃棄物を出す側から始まるという意識が大事だと思います。

自分たちで処理できない場合には適正な処理業者への委託をしなければなりません。

廃棄物管理会社や処理業者に丸投げで自分たちは知らないというのでは、適切な処理は不可能です。

自分たちの出した廃棄物がどのように処理されているのか、従うべきルールは何かを把握しつつ、頻繁な法改正、政省令改正、通知改正に対応できる組織体制を作り、弁護士・行政書士やコンサルタントなどとの 連携を取ること。
そして何より、処理業者との密なコミュニケーションを取っていること。
どうやって分別すればいいか、なぜ分別が必要なのか、どのようにすれば廃棄物にならずに資源として再利用できるのかなどしっかりコミュニケーションが取れていれば不適正な処理は起こらず、処理にかかるコストも削減できます。

今日は排出事業者様にお呼びいただき、私と処理業者様で産業廃棄物の適正処理についての勉強会を開催させていただきました。
経営陣だけでなく、現場の皆様も交えたこうした機会を設けている会社は間違いなく適正処理への意識が高く、不適正な処理を助長しない素晴らしい会社だと思います。
私自身、産業廃棄物に関する許認可手続きだけにとどまらず、適正処理が進むためのこうした研修にも力を入れておりますので、ぜひ廃棄物についての研修のご要望がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
間接的にでも環境に、自然に貢献する環境系行政書士を目指し、学び続けたものを今後もこちらで情報発信をしていきます!

廃棄物を排出する企業は必見!廃棄物管理会社と行政書士について

この記事は、廃棄物を排出する事業者様向け、つまり全ての企業様向けの記事です。

私はこの時期、毎年3ヶ月だけ学生になります。
環境法の大家と言われる法科大学院の先生や有名な産業廃棄物処理業の方、企業のCSR担当者から弁護士などが講師を勤め、広く環境やリサイクルまで学べる貴重な機会ですので、毎年欠かさず通わせていただいています。
今回は昨日の講義でもとりあげていた「廃棄物の管理会社」について書いてみたいと思います。

廃棄物の管理会社とは?

管理会社とは、廃棄物の排出関係の管理を代行する会社のことを言います。具体的には、廃棄物を排出する事業者と廃棄物処理業者の間に入り、仲介する会社です。
廃棄物処理法は複雑すぎて、建設業者などの排出事業者だけでなく、産業廃棄物許可業者も理解しきれていないところが多いのが現実です。さらに改正も多い廃棄物処理法を中心とした法規制を正しく理解して、現場でも正しく運用し、リスクへの対応やイレギュラーな事案にも対応しながら適正処理を行うというのは相当難しいことだと思います。
だからこそ、主に排出事業者のサポートの面で管理会社の必要性が高まり、実際に増えているのだと考えられます。

管理会社の問題点

一般社団法人全国清掃事業連合会から提出された 意見書には「地方公共団体の規制権限の及ばない第三者(ブローカー)への対応について」と題し、下記のような提言がありました。

(引用元:http://www.env.go.jp/press/y0310-04/mat01.pdf
この文書でブローカーとは、「排出事業者と処理会社の間で、処理工程の適法性の確認、適正な処理業者の選定、処理料金の適正性の確認・支払いの管理等の業務を行うもの」を指しますので、つまり管理会社のことをいっているわけです。

排出事業者責任との関係

廃棄物処理法では、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。(第3条)」と規定し、これにより、排出事業者の処理責任が明確化されています。
自社で適正処理をするか、適正な処理業者に委託をすることが定められており、基本的にはこの2者間での取引が想定されているところ、管理会社が間に入ることで問題が生じえることになります。
もちろんしっかりしている管理会社もありますが、下記のような問題がある管理会社も増えているのが現状といえます。

  • 内容や現状の問題点よりも処理費削減を提案してくる
  • 契約書・マニフェストとも不備が多い。
  • 契約書未締結だったり、産業廃棄物を一般廃棄物としてしまうケースもある。
  • 排出事業者に処理業者の選択権がない。

一番の問題は、廃棄物の適正処理の弊害になっている事があるということです。
処理費の削減ももちろん悪いことではありません。
ですが、廃棄物の適正処理のためには管理会社も遵法精神を持ち、高い専門性を持っていなければなりません。適正処理が処理費の削減より優先されるのはあくまで経済的なことしか考えていないことになります。儲かるなら不適正処理でもいいというのが不法投棄につながってしまうのと同じ論理です。
「全てお任せください」と謳う管理会社も見かけますが、そもそも排出事業者責任の観点からいえば問題と言わざるをえないでしょう。

廃棄物管理と行政書士の役割

我々行政書士も適正処理についての法律的な相談も受けますし、処理業者の選定についての実務的な相談も多く受けております。その意味では管理会社的な役割も果たしているといえます。
適正な廃棄物の処理のためには、排出事業者責任を果たしつつ、一方で適切なアウトソースをしていくことが必要で、廃棄物処理法を理解した専門家である行政書士の果たせる役割は非常に大きいと思っています。
ただ、管理会社と同様、行政書士も廃棄物処理法はじめ関連する法令、そして廃棄物業界自体についての知識が十分といえない場合もあります。行政書士の業務は許認可だけでも約1万種類あると言われ、VISAの手続きや法人設立、資金調達や相続などの市民法務手続きなど非常に多岐にわたるため、産業廃棄物やリサイクル、建設業などの排出事業者についてなど広くカバーできる専門家はそう多くないのです。
だからこそ僕自身も、開業10年目の今でも大学院に通って専門性を高めています。
廃棄物が適切に処理されることが、よりよい環境を後世に残すことに繋がります。
そのために産業廃棄物専門の行政書士として少しでも貢献していくべく、環境系行政書士としての道を歩み続けていきます。
 
 

産業廃棄物収集運搬業の許可の流れ

この記事は【産業廃棄物収集運搬業の許可取得を目指す方、検討している方向け】の記事です。
例えば古くなった家を解体し、新しく建て替えるとします。
その解体作業から出た廃棄物は産業廃棄物となり、これを処分場に運ぶための許可が産業廃棄物収集運搬業という許可になります。
不法投棄や違法輸出など不適正な処理がされないよう、一定の基準を満たし、許可を取った事業者でないと運搬してはいけないという趣旨です。

許可取得の流れ

では、産業廃棄物収集運搬業の許可取得はどんな流れになっているでしょうか?

1.講習会の予約をし、修了証を取得する

産業廃棄物収集運搬業の取得のためには、個人であればその方が、法人であれば原則役員が、産業廃棄物の許可申請講習会を受講し、修了証を受け取る必要があります。この修了証のコピーを申請時に提出します。
日本全国どこで受けてもいいのですが、多くの県が年に数回しか開催していないので、お急ぎの場合には特にどこで受講するかは非常に大事になります。
講習会についての詳細はこちらです

2.申請の予約をする

大阪など限られた自治体を除き、基本的には事前に申請する自治体に予約をします。首都圏ではおおよそ1ヶ月位は予約待ちになりますが、これまで2ヶ月待たされた県もあります。
逆に言えば、講習会の受講のあとで申請の予約をするとそれだけ申請までに時間がかかってしまいますので、講習会の日程と申請の予約をいかにうまく予定を組むかが早く許可を取る秘訣と言えます。

3.窓口で申請

予約した日までの時間で申請書類を作成し、添付書類を収集、必要書類に押印をして、いよいよ窓口にて申請します。殆どの自治体では申請窓口があり、そこで審査官に書類を提出し、門前で質問等を受けたり、書類のチェックを受けます。
早くて15分、遅い場合で1時間ほどのチェックを受け、問題がなければ受領したという印鑑を押してくれます。

もし不足書類があったり、重大なミスがなければ受け付けられ、軽微な補正は後日差し替え、または郵送などでの対応になります。

4.申請から許可が出るまで

こうして無事に申請が受領されても、許可が出るまでは営業はできません。産業廃棄物を収集するには運搬車両に許可証のコピーを携帯する義務もあります。
申請から許可証が発行されるまではおおよそ70日が目安になっています。
ただ、役所が混んでいる場合にはもっと掛かることもありますし、また自治体によっては弊所で対応した中で最短では40日ほどで許可が出たこともあります。この点については自治体について努力義務であって、いつまでに出さなきゃいけないという規定がないのです。
以上、許可取得までの流れを見てきましたが、少しでも早く許可を取りたいという場合には、申請書類に不備がないのはもちろん、講習会や申請の予約まで計画的に準備するのが大事といえます。
産業廃棄物収集運搬業については年間100件以上、全国で対応させていただいております。
相談は無料ですのでまずは下記フォームからお気軽にお問い合わせいただければと思います。

産業廃棄物収集運搬業のローカルルールが無くなる?

この記事は産業廃棄物収集運搬業の許可の取得を目指す方、検討している方向けの記事です。
いわゆる許認可手続きの多くには、ローカルルールというものが存在します。
つまりは自治体によって添付する書類だったり、申請方法でさえも異なることがあります。
私の専門である産業廃棄物業務も行政裁量が大きく、非常に強いローカルルールが存在します。
この記事では産業廃棄物収集運搬業におけるローカルルールの最新動向についてお伝えさせていただきます。

産業廃棄物収取運搬業の新規許可におけるローカルルール


例えば産業廃棄物収集運搬業の場合、自治体によって下記のような違いがあります。

  • 申請の予約が必要なところと、予約不要で対応してくれるところがある
  • フラットファイルに綴じて申請しなければならないところがある
  • 申請書にインデックスを貼らねばならないところがある
  • 確定申告書のコピーが必要なところがある
  • 申請の前に事前にデータを送付しなければならないところがある

他にも車両の写真の撮り方も自治体によって角度が異なっていたり、独自様式の書面を作らねばならないなど、同じ許可申請の手続でもかなりの差異があります。
プロである我々でも悩まされていますので、広範囲で許可をお持ちの事業者様は更新などのたびに苦労されているのではないかと思います。

ローカルルールがなくなる?

そんなローカルルールですが、実はこの数年でも少しずつ緩和の方向に統一化されてきていると感じていました。
具体的には埼玉県や栃木県で法人の印鑑証明書の添付の必要がなくなったり、千葉県の標章制度がなくなったりです。
そしてまだ確定にはなっておりませんが、どうやらこうしたローカルルールは完全に撤廃され、全国統一の基準になるようです。
事業者様の立場からすると、自治体ごとの違いに悩むことなく申請書を準備しやすくなるのはプラスでしょう。我々行政書士としても簡単になる点は歓迎できます。
ですが、簡易化するとなるとおそらく業務報酬は下っていくでしょうし、ソフトやアプリも出てきて、仕事のチャンスが減る自体にもなるかもしれません。
今後もローカルルールの行方を注視していきたいと思います。