【GOAL対談企画】(建設×入管)外国人技能実習制度の基礎の基礎2
(小林)前回、中楯さんからの説明がありましたが、確かに、3年で育てた実習生が帰国してしまうということは、それまでにかけた費用とか労力だとかを考えれば、一見デメリットに感じてしまいますよね。
それだったら、ずっと働いてくれる日本人をとなるのが、経営者の正直な気持ちかもしれません。
ただしそれは、人材不足を補うために呼んだだけの場合であれば、だと思うんです。
(小林)技能実習は基本3年なわけですが、彼らの母国に参入したいからパイプが欲しいという経営者にとっては、3年ごとに人が変わっていくっていうことが逆にメリットになるのかなと。
そのぶんパイプは太くなるわけなので。
(小林)前回も利用した資料2の、3をご覧ください。
建設業界は、機械・金属関係に次いで、外国人技能実習生を積極的に受け入れています。
資料2/技能実習の現状
(小林)そうですね。
現在建設業界は、
- 技能技術者の減少:平成9年(455万人)⇒平成25年(338万人)
- 建設業就業者の高齢化:約3割が55歳以上、29歳以下は約1割
など、深刻な人材難を改善すべく、国交省が「外国人建設就労者受入事業」に取り組んでいます。
この中で、外国人就労者を増やすための措置として、今回のテーマである「外国人技能実習制度」と緊密に連携した取り組みをしています。
例えば、技能実習制度は原則3年間の実習が終われば帰国しなくてはなりませんが、建設業についてはその後、2年間実際に就労できるというような要件緩和が時限措置として行われています。
今はオリンピック需要や、老朽化した公共施設工事など、人手がいくらあっても足りない状況なんです。
(小林)国交省では、短期的な措置として、この外国人建設就労者受入事業を展開していて、中長期的には、労働環境をもっと良くして従事する人口自体をもっと増やしたいと頑張っています。
例えば、来年度から第二週目の土曜日は完全に休業しましょうっていう通達が最近出ました。
さらにその翌年からは第2、第4土曜日をお休みにしようっていう案になっているみたいですね。
(小林)確かに、初めて1人技能実習生を雇う時には、ノウハウも無いし大変だとは思うんです。
でも、作業を身に着けるフローをきちんと作って、例えば毎年1人ずつ受け入れるなどしていけば、外国へのパイプも出来るし、若い人材を常に雇用する枠組みができる。
5年経過したころには新しい実習生を指導できる人もいる、外国人同士良い仲間もいる。
新しく加わる実習生もモチベーションを保てるだろうし、良い職場環境ができる。
そのうちスタッフが半分以上外国人なんていうケースも出てきてもおかしくないですよね。
(小林)建設のお客様に伺った話ですが、技能実習生の彼らは、そもそもしっかりとした目的があって勉強するために来ているんです。
日本で技術を学び、現地で建設会社を興したいとか、現地のインフラ整備に加わりたい等、真剣に学ぶ方が殆どだそうです。
一方で、日本の若い人は、まず、きつい仕事はやりたくないという方も多いようで・・。
実際に、建設の現場は大きな声で怒鳴りあうっているように見えますが、それは大きな声を出さなきゃ危ないし、言葉が粗くなっちゃうのも命の危険と隣り合わせだからだし、全て致し方無いというか、必要があってそうなってるんですけど、若い人はそういった雰囲気に委縮して辞めてしまうということは実際多いみたいですね。
(小林)だからこそ、今から技能実習生を受け入れて、将来に投資していくことは今後ますます重要になるのではないでしょうか?
(中楯)「すごく興味はあるけど、経験が無いので不安」という経営者の方は多いと思うんです。
でも技能実習をするときは、監理会社が、必ず事業実施計画を作るんですよ。
どういう技能を1年を機ごとにわけて、フローチャートする必要があるので、何をしたらいいのか分からないってことは無いと思います。
(中楯)信頼のおける監理団体もご紹介できますので、ぜひGOALまでお問合せください。
(小林)きれいにまとまりましたね(笑)。
【GOAL対談企画】(建設×入管)外国人技能実習制度の基礎の基礎1
今回は、今注目されている「外国人技能実習制度」について、入管担当の中楯さん(写真左)、建設担当の小林さん(写真右)に色々聞いてみました。
海外の熱心で優秀な若い方に、日本で様々な技術を教える間、働いてもらえるという制度とは!?
VISA担当
中楯友樹
建設業許可
小林佐苗
インタビュー
白石華都
外国人技能実習制度の概要
まずこの制度の概要について教えて下さい。
(中楯)「外国人技能実習制度」は、国際貢献のため,開発途上国等の外国人を日本で一定期間(最長3年間)受けいれ、OJTを通じて技能を移転する制度です。
受け入れの方法は2種類あり、【企業単独型】と【団体監理型】に分かれています。
受け入れを希望する会社に海外とのパイプがない場合は、海外の送り出し機関と日本の管理団体がそれぞれ仲介して実習を行う【団体監理型】を選ぶことになります。(資料1)
後ほど出てくる資料2-4にもあるように、団体管理型の受け入れが96.4%なので、殆どの企業が団体監理型を選んでいると言えます。
受入れを実施しているところは、大多数が19人以下の小さな会社なんですね。
(中楯)どんな業種でも受け入れられるわけではないので注意が必要です。
対象となる業種はこちらで全て閲覧できます。
農業から漁業、建設、食品加工、、、本当に幅広いですね。
監理団体が認可制に
(中楯)この制度の運用については、監理団体の存在がとても重要になって来ます。
この監理団体についての規制が、今までしっかりと守られていないという現状がありました。
そこで、去年「外国人技能実習機構」というのが立ち上がりました。
(中楯)今年からは認可制になり、今後はこの機構による認可を取得したところだけしか、監理が出来ない仕組みになりました。
ちょうど11月から認可が下りるので、要注意ではあります。
ただ、信頼のおける監理団体を選べるようになったのは良い事ですね。
現在はベトナムが第一位
どこの国でもいいんですか?
(中楯)どこでも良いんです。
ただ、現地に送り出し機関があるところが前提です。
資料2に最近はベトナムが1位となっています。
(小林)数年前までは中国が1位だったんですけど、ここ1、2年でベトナムが非常に多くなってきた印象があります。
(中楯)若いですね、20代前半が多いですね。
外国人技能実習制度のメリット
一見メリットしか無さそうに思えます。
(中楯)普通、日本で就労ビザを取る場合は、大卒とか実務経験の要件、あとは業務内容の知識とか技能・技術が無いと(就労ビザが)取れないんですけど、この制度は、日本でこれらの技術を身に着ける制度なので、半年ぐらいでも現地で仕事をしていれば、日本に来て技術を学ぶことができるんです。
あとは、就労ビザで認められていないような工場での、単純就労と呼ばれる作業も行うことが出来ます。
日本では、なかなか雇えないような、やる気のある若者に働いてもらえることは大きなメリットと言えます。
外国人技能実習制度のデメリット
(中楯)一方で、最も大きなデメリットは、基本的に3年経過したら、彼らは母国に帰らなければならないっていうところですね。あとは、監理団体への手数料が毎月一定金額かかります。
(小林)でもそうとばかりは言えないんですよ。
うまく活用して、相乗効果を生んでいる会社もあるんです!
次回をどうぞお楽しみに!