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2018年02月28日

民泊物件に関する事件と法改正についての考察

民泊に関連するニュースに関して先日ポストしたばかりですが、なんとも痛ましい事件が起きてしまいました。

監禁容疑の男、頭部遺棄認める。三田市の女性会社員が行方不明になった事件

今回の事件だけに留まらず、いくつも民泊物件の宿泊者に関する事件はこれまでも起きています。
民泊そのものの問題にすげ替えるのは問題だと思いますが、こうした事件が起きないように法律や条例、規則などで規制する必要は確実にあると思います。

今回の事件を受けて、18年6月に施行される法改正の一部に注目します。

Airbnb流行のカギは「自動化」

民泊が流行した背景にはアメリカのスタートアップ企業「Airbnb」の台頭があることを前回の記事で説明致しましたが、この「Airbnb」のBnBは「Bed and Breakfast」を指しており、宿泊と朝食を提供して宿泊者のおもてなしをするというのが元来の意味になっています。

つまり、ホスト(家主)が直接ゲスト(宿泊者)に、対面することを基本としているのです。

しかし、Airbnbはアプリケーションで予約から、チェックイン、チェックアウト、支払いまで完結するサービスですので、部屋のカギを部屋のキーボックスなどに格納し渡せてしまえば、ホストとゲストはお互いに対面せずアプリ上で全ての手続きを終えることが可能です。

このような手法により、民泊の一連の流れをほぼ自動化することができ、昼間の時間にカギを渡す必要もないことから参入障壁がぐっと下がり、更に掃除洗濯なども請け負う中間業者も有象無象に出現し、いわゆる闇民泊が流行することになります。

旅館業法上は対面式が基本

しかし、本来、民泊は旅館業法の営業許可が必要です。(特区は除く)

旅館業法には玄関帳場(受付)を設ける規定があり、宿泊者と対面の上でのチェックイン及び宿泊名簿の記載が義務付けられています。一部の自治体では帳場自体を設ける必要は無いとしつつも、運営上は宿泊者が滞在中は常駐することが義務付けられています。
宿泊施設と捉えると、当然必要な手続きであると言えます。

いわゆる住居には通常帳場はありませんので、現行法では既存の建物で民泊を合法的に営業するためには原則として帳場を作る必要がありますが、構造上の問題で設置できない建物は沢山ありました。

もちろん他にも用途地域など沢山の規制があるのですが、規制をクリアできないと分かっていながらも民泊をやりたい人たちが闇民泊に流れたというのが実態でしょう。

改正旅館業での対面式の考え方

今回の旅館業法の改正により、法律上は「受付台の長さが1.8m以上」等の数値による規制については撤廃されます。(自治体レベルの条例では帳場設置の規制は出来るとされていますので、完全に無くなるわけではありません)

しかし、完全に宿泊者に野放しで宿泊させて良いということではなく、WEBカメラなどを活用した方法等が検討がされているところです。

同時に、運用レベルでは以前、絶対的な義務であった宿泊者が宿泊している時に管理人が常駐すべきという規制も、近隣に駆けつけられる状況を作れるようであれば緩和される方向で進められているということです。

まとめ

日本に空家が増えていく一方で、外国人旅行者が増え、需要と供給が結びつきAirbnbが流行しました。

宿泊施設を規制する法律である旅館業法は古い法律であり、当然ながら今のインターネットが普及した時代を想定して作られたものではありません。

法改正は必然と言えるでしょう。

また、今回の事件がどう防げたのかは、旅館業とはまた別の次元での話かも知れません。
インターネットカメラを使用して非対面式のチェックインが出来れば加害者と遭遇せずに済んだのかというとそう単純なものではないと思います。

時代のニーズから法律も緩和される必要性は否めませんが、一方で意味のある規制やルールは残していくべきなのではないでしょうか。

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