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宅建業における専任の宅建士の重要性について | 行政書士がまとめて解説!

  • 投稿:2025年11月18日
宅建業における専任の宅建士の重要性について | 行政書士がまとめて解説!

不動産取引の公正化と消費者の保護を目的として、宅建業者は事務所ごとに一定数の専任の宅建士を設置するよう宅建業法で義務付けられています。この専任の宅建士の存在は、不動産取引の信頼性を確保する上で不可欠です。仮に事務所に専任の宅建士が配置されていない場合、宅建業者として免許の取得や更新ができません。従業員5人につき1人以上の割合で専任の宅建士が必要とされており、この基準を満たさない場合、免許更新ができないなどの不利益が生じます。宅建業免許の申請や、専任の宅建士に関する疑問がある場合は、行政書士のような専門家へ相談することをおすすめします。

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専任の宅地建物取引士とは?基本的な役割を解説

専任の宅建士とは、宅地建物取引業法に基づき、宅建業者が事務所ごとに設置を義務付けられている宅地建物取引士のことを指します。その意味合いとしては、不動産取引の公正性と消費者の保護を目的としており、宅建業の中心的な役割を担います。専任の宅建士には、「常勤性」と「専従性」の2つの要件が求められます。つまり、その事務所に常勤し、専ら宅建業の業務に従事しなければなりません。具体的には、重要事項の説明、重要事項説明書(35条書面)への記名・押印、契約書(37条書面)への記名・押印などが主な役割です。

また、専任の宅建士は成年者であることが義務付けられています。これは、不動産取引において大きな責任を伴う業務を担うため、未成年者では不十分であるという考えに基づいています。万が一、事務所内で法律違反がないかをチェックし、社内の指導・教育を行うなど、事業所内で不動産取引が適正に行われるよう監督する責任も持ちます。この専任の宅建士の氏名は、宅建業者名簿に登載される事項であり、変更があった場合には届出が必要です。

専任の宅建士と一般の宅建士の業務内容の違い

専任の宅建士と一般の宅建士には業務内容に本質的な違いはありません。どちらも宅建業法で定められた重要事項の説明、重要事項説明書(35条書面)への記名・押印、契約書(37条書面)への記名・押印といった宅建士の法定業務を行うことができます。この点が両者の最も大きな違いではなく、専任性という点で区別されます。

しかし、宅建業者として免許を取得し、事業を継続するためには、事務所ごとに一定数の専任の宅建士を設置する義務があります。この設置義務がある点が、専任の宅建士と一般の宅建士の重要な違いです。一般の宅建士は、この設置義務を果たすための要件を満たしているわけではありません。例えば、宅建業に従事する者5人につき1人以上の割合で専任の宅建士を配置することが義務付けられています。この「専任」とは、その事務所に常勤し、専ら宅建業の業務に従事する「常勤性」と「専従性」の要件を満たすことを指します。

つまり、専任の宅建士にしかできないこととは、宅建業の免許取得および維持のために必要な「専任の宅建士の設置」を果たすことです。この設置義務を満たせない場合、宅建業者は免許の取得や更新ができません。また、専任の宅建士は、他の事業所の代表や常勤役員との兼任、他の職業への従事、通勤が困難な場所に住んでいる場合などは「専任」と見なされません。この厳格な要件が一般の宅建士との違いを明確にしています。

専任の宅建士に求められる「専任性」の具体的な要件

事務所への常勤が必須条件となる

専任の宅地建物取引士には、その事務所に常勤していることが必須要件として求められます。この常勤性とは、原則として宅建業を営む事務所に継続的に勤務し、宅建業の業務に専念できる状態を指します。具体的には、事務所の営業時間中に、その事務所に常に滞在し、宅建業に関する業務を遂行できる状況にあることが重要です。そのため、雇用形態についても注意が必要です。

宅建業法上、専任の宅地建物取引士の雇用形態は特に問われません。正社員でなくても、パート、アルバイト、契約社員などの雇用形態でも、実態として事務所に常勤し、専従できる勤務時間であれば、専任の宅地建物取引士として認められる場合があります。しかし、パートやアルバイトといった短時間勤務を想定した雇用形態では、専従性を満たすことが難しいとされています。常勤性が認められないと判断される事例としては、勤務形態が事務所の一定の時間帯に限られる非常勤やパートタイマーの者、社会通念上通勤可能な距離を超えている場合などが挙げられます。

そのため、単に雇用契約上の名称だけでなく、実際の勤務実態が「常勤性」および「専従性」の要件を満たしているかどうかが重要になります。多くの都道府県では、専任の宅地建物取引士が、宅建業者の通常の勤務時間を勤務し、専ら宅建業に従事する状態を求めています。

兼業が認められない具体的なケース

専任の宅建士には、その「専任性」が厳しく問われるため、他の業務との兼業や兼務が認められないケースが具体的にいくつか存在します。まず、他の会社の役員や使用人を兼任することは基本的にできません。例えば、宅建業を営む会社の専任の宅建士が、別の会社の代表取締役や監査役、あるいは部長などの役職に就いている場合、専任性は認められません。これは、複数の会社で重要な職務を同時に遂行することは、物理的に困難であり、宅建業の業務に専念できないと判断されるためです。また、他の事業を営んでいる場合も同様です。個人事業主として別の事業を経営している場合や、会社設立を検討しておりその準備に時間を要する場合なども、宅建業の業務への専念が難しいと判断されることがあります。

さらに、会社の経理担当者を兼務している場合も、認められないケースがあります。経理業務は会社の規模によっては非常に多くの時間を要するため、宅建士としての業務に支障をきたす可能性が指摘されます。もちろん、会社の規模が小さく、経理業務がごくわずかであれば兼務が認められる場合もありますが、その判断は行政庁によって厳格に行われます。このように、専任の宅建士は、あくまでも当該宅建業者の業務に専念できる状態が求められるため、他の業務との両立が実質的に不可能と判断されるケースでは、兼業や兼務は認められません。

通勤が困難な場合は専任と見なされない

専任の宅建士には、その「専任性」を確保するため、通勤が困難な場所に居住している場合は専任と見なされないという規定があります。これは、専任の宅建士が当該事務所に常勤し、かつ専従できる状態にあることを重視しているためです。具体的には、事務所から通勤に極端に時間がかかる、あるいは地理的に遠隔地に居住している場合、通常の勤務時間内に事務所へ到着し、業務を円滑に遂行することが難しいと判断されます。例えば、片道2時間以上かかるような遠距離通勤の場合や、公共交通機関の便が極めて悪い地域に住んでいる場合などが該当します。このような状況では、緊急時への対応や、業務時間外の突発的な事態への対応が困難となり、実質的に「専任」とは言えないと判断されるのです。行政庁によっては、通勤時間や距離に関する具体的な基準を設けている場合もありますが、基本的には個別の事情を考慮しつつ、常勤性と専従性を損なわない範囲であるかどうかが総合的に判断されます。したがって、専任の宅建士を配置する際には、単に資格の有無だけでなく、その方が実際に当該事務所で勤務できる物理的条件を満たしているかどうかも重要な確認事項となります。

宅建業法で定められた専任の宅建士の設置義務

事務所ごとに必要な専任の宅建士の人数基準

宅建業法では、不動産取引の公正化と消費者の保護を目的として、宅建業者は事務所ごとに一定の人数以上の専任の宅建士を設置することが義務付けられています。この人数基準は、その事務所で宅建業に従事する従業員の数によって変動し、具体的には従業員5人につき1人の割合で専任の宅建士を配置しなければなりません。例えば、従業員が1人から5人までの事務所であれば、専任の宅建士は最低1人必要です。従業員が6人から10人までの事務所では2人の専任の宅建士が求められ、従業員数が増えるごとに、この「5人に1人」という数に応じて必要な専任の宅建士の数が増えていきます。この専任の宅建士の数は、宅建業者が免許を取得する際だけでなく、免許を更新する際にも厳しくチェックされます。もし、この人数基準を満たしていないと判断された場合、宅建業の免許を取得できなかったり、既存の免許が更新されなかったりするリスクがあります。さらに、場合によっては業務停止命令などの行政処分を受ける可能性もあるため、この人数基準を常に満たしていることが重要です。

専任の宅建士が不足した場合の罰則やリスク

宅建業において、専任の宅建士が不足している状況は、法律違反として様々な罰則やリスクを宅建業者にもたらします。まず、専任の宅建士が規定の人数に満たない場合、それは「設置義務違反」となり、宅建業法上の行政処分の対象となります。具体的には、業務停止命令や、悪質なケースでは免許取り消し処分を受ける可能性もあります。免許を取り消された場合、その宅建業者は一定期間、再び宅建業を営むことができなくなり、事業継続が困難になるという重大なリスクを伴います。

また、専任の宅建士がいない、あるいは不足している状態で宅建業を継続していることが発覚した場合、行政指導や改善命令の対象となります。これらの行政処分は、会社の信用を大きく損なうだけでなく、顧客からの信頼喪失にもつながります。不動産取引は高額なものが多く、消費者は信頼できる業者を選びたいと考えるため、行政処分を受けたという事実は、顧客離れを引き起こし、業績悪化に直結するでしょう。

さらに、宅建士が不足している状況は、重要事項の説明や契約書への記名押印といった法定業務が適正に行われないリスクを高めます。これにより、消費者とのトラブルに発展する可能性があり、損害賠償請求などの法的問題に巻き込まれることも考えられます。このような問題が発生すれば、企業の存続にも関わるほどの大きな損害につながる可能性があります。専任の宅建士の不足は、単なる法令違反に留まらず、事業の継続性や企業の信頼性にも大きな影響を与えるため、宅建業者は常に必要な人数を確保し、適正な運営を心がける必要があります。

専任の宅建士を雇用・設置する際の注意点

名義貸しは法律で固く禁止されている

名義貸しは、宅建業法によって固く禁止されている行為であり、非常に重い罰則が科せられます。これは、宅建士の「専任性」が形骸化することを防ぎ、不動産取引における消費者の保護を徹底することを目的としているためです。具体的には、宅建士の資格を持つ人が、実際にはその宅建業者の業務に従事しないにもかかわらず、自身の名前をその業者の専任の宅建士として記載させることが名義貸しに該当します。例えば、知人の会社に頼まれ、退職後に別の支店で勤務する予定がないにもかかわらず、形式的に専任の宅建士として名前を貸すといったケースがこれに当たります。

宅建業者が名義貸しを行った場合、宅建業法違反として、業務停止処分や免許取り消し処分といった非常に重い行政処分を受けることになります。免許を取り消された場合、原則として5年間は宅建業の免許を再取得できません。また、名義を貸した宅建士自身も、宅建士登録の消除や事務禁止処分などの懲戒処分を受け、宅建士として業務ができなくなる可能性があります。さらに、名義貸しは刑罰の対象となることもあり、罰金刑や懲役刑が科せられるケースも存在します。これらの罰則は、不動産取引の公正性を守るために厳しく設けられており、決して安易な気持ちで行うべきではありません。宅建業者は、適正な方法で専任の宅建士を確保し、名義貸しといった違法行為に手を染めないことが極めて重要です。

専任の宅建士が退職した際に必要な手続きと期限

専任の宅建士が退職や退任した場合、宅建業者は速やかに補充の手続きを行い、その旨を所轄の行政庁へ申請し届け出る必要があります。宅建業法では、事務所ごとに一定数の専任の宅建士の設置が義務付けられており、専任の宅建士の氏名が宅建業者名簿に記載されているため、変更が生じた際には、変更の届出を行わなければなりません。専任の宅建士が退職するなどして不足が生じた場合は、2週間以内に新たな専任の宅建士を補充するなどの措置を執る必要があります。変更届は、退職日から30日以内に提出することが義務付けられています。この期限を過ぎると、宅建業法違反となり、業務停止命令や免許取り消しなどの行政処分の対象となる可能性があります。東京都の場合、東京都都市整備局に所定の変更届出書と必要書類を提出します。変更届には、退職した宅建士の名前と、新たに専任の宅建士となる方の氏名や宅建士登録番号などを正確に記載し、宅建士証の写しや誓約書などの添付書類も必要となります。特に、新たな専任の宅建士が他の事務所の役員や従業員を兼ねている場合、専任性が認められない可能性があるため、慎重な確認が求められます。また、免許の更新時期と重なる場合は、変更届と同時に更新申請の手続きを行う必要があります。この手続きを怠ると、免許の更新が認められず、宅建業を継続できなくなるという重大なリスクを伴います。したがって、専任の宅建士が退職した際には、速やかに補充の人材を確保し、期限内に適切な手続きを行うことが非常に重要です。

まとめ

ここまで、宅建業における専任の宅建士の重要性や、具体的な役割、設置義務などについて詳しく解説してきました。不動産取引の公正性と消費者の保護のため、案内所や本店、支店といったすべての事務所で、従業員5人につき1人以上の割合で専任の宅建士の設置が義務付けられています。専任の宅建士は、常勤かつ専従の要件を満たす必要があり、他の事業との兼業や通勤困難な場所からの勤務は認められません。

宅建士が不足した場合、業務停止や免許取り消しといった厳しい罰則が科せられるリスクがあるため、常に適正な人数を確保することが重要です。また、名義貸しは固く禁止されており、発覚した場合は宅建業者、宅建士双方に重い処分が下されます。専任の宅建士の退職時には、30日以内に補充し、変更の届出を行う必要があります。これらの一連の手続きは、宅建業者が適法に事業を継続するための必須事項であり、求人や配置計画を適切に立てることが求められます。

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