日本の経済成長を進めるためにも、社会の男女格差を解消するためにも、「女性の社会進出」は重要なポイントとなります。
一時期から重要なポストに女性を起用する企業も増えてきていますが、自身で起業する女性も増加傾向にあります。
しかし起業する際に大きな問題となるのが資金調達であり、自己資金なしでは融資を受けて起業するのは難しいと思われがちです。
この記事では女性起業家に関するデータのご紹介から、自己資金とは何のかという基本的な情報、そして自己資金なしでも利用できる可能性がある融資制度などについて、ご紹介させていただきます。
大きな夢を実現するために、「起業」をいう選択肢を検討中だが自己資金の面で不安を感じている女性は、この記事をぜひ最後までお読みください。
女性の起業に関する4つのデータ
まず女性の起業に関するデータを4つご紹介させていただきます。
- 女性起業家の割合
- 女性起業家に多い職種
- 売上高と従業員数
- 性別が融資の審査へ与える影響
上記させていただいた4つのデータを見ていただくことで、女性起業家の現在の状況がある程度見えきます。
どのような業種にチャレンジしていて、どのくらいの規模の企業が多いのかを知っていただくことは、ご自身が起業しようとしている業種が女性向きであるかの判断や、規模としてどのくらいが最適かの参考にもなります。
さらに女性であることが融資の審査に影響するのではと不安を感じていらっしゃる方も、きっと安心感を得ていただくことができるはずです。
①起業家における女性の割合
2023年11月30日付で日本政策金融公庫が公表した「2023年度新規開業実態調査」の中には、以下のような記載があります。
開業者に占める女性の割合は24.8%と調査開始以来最も高くなった。
引用:日本政策金融公庫「2023年度新規開業実態調査」
逆に言えば新規開業者の4分の3を男性が占めていることも事実であり、まだまだ女性の社会進出は通過点と言わざるを得ませんが、それでも増加傾向にあることも間違いのない事実です。
また1991年時点では12.4%しかなく、2019年でも19.0%であったことからも、少しずつであっても女性の社会進出が進んでいることがわかります。
そして男女別の情報ではありませんが、起業家の平均年齢は2023年で43.7%と過去最高水準となっています。
開業者の直前の職種は「正社員・正職員」が4割を占めており、この2つのデータから社会で経験を積み重ねた人物が、起業という決断に至る傾向が高いとも考えられます。
②女性起業家が多い業種
日本政策金融公庫は2022年に、「女性による新規開業の特徴」を調査し公表しています。
その中には、開業時の職種について以下の様に書かれています。
開業業種をみると、女性は「サービス業」が40.4%と最も多く、その割合は男性(25.3%)に比べて高い。
引用:日本政策金融公庫「女性による新規開業の特徴」
また2022年時点での業種構成は以下の表のようになっています。
業種 | 女性 | 男性 |
---|---|---|
建設業 | 1.3 | 13.4 |
製造業 | 3.7 | 4.0 |
情報通信業 | 1.9 | 5.0 |
運輸業 | 1.6 | 4.9 |
卸売業 | 2.4 | 3.8 |
小売業 | 15.5 | 13.1 |
飲食店・宿泊業 | 12.6 | 8.9 |
医療・福祉 | 15.0 | 11.7 |
教育・学習支援業 | 3.5 | 3.8 |
サービス業 | 40.4 | 25.3 |
不動産業 | 1.6 | 5.0 |
その他 | 0.5 | 1.2 |
この表から、男性が起業する際にもサービス業が最も多いのがお分かりいただけるはずですが、女性においての割合とは大きな差があり、女性にとってサービス業は起業しやすい業種と判断することができます。
逆に男性の構成割合が多く女性の割合が低い建設業などの業種は、女性が起業する際の難易度は高めであると考えられます。
③1ヶ月あたりの売上げ高と従業員数
日本政策金融公庫が調査し公表している「女性による新規開業の特徴」の中には、従業員数と月商に関するデータも記載されています。
開業時と調査時点の従業員数
開業時(平均) 女性— 2.8人,男性—3.1人
調査時点(平均)女性—3.5人,男性—4.3人
現在の月商(1カ月あたりの売上高)
100万円未満 女性—62.7%,男性—37.2%
100万円〜500万円未満 女性—31.3%,男性—41.8%
500万円以上 女性—6.0%,男性—21.1%
引用:日本政策金融公庫「女性による新規開業の特徴」
従業員数に関するデータでは男性起業の方が開業時点と調査時点共に従業員数が多いものの、それほど大きな差はなく、どちらも少人数で起業し会社経営を続けていることがわかります。
月商の面では大きな差が表れていますが、これは女性起業の販売先は「一般消費者」が80%以上を占めており、個人経営が女性起業全体の70%を超えていることが大きく影響していると考えられます。
また月商が500万円を超える女性起業家も、全体の6%存在しています。
④融資の審査通過率
独立行政法人経済産業研究時によって公表された「女性は融資を受けられる可能性が低いのか?」によると、女性の融資確率を男性の場合と比較して以下のような結果が出たと記載されています。
分析の結果から、融資を検討した企業サンプルを対象に融資確率を男女で比較すると、女性は男性に比べて11-14%融資確率が低いことが分かった。実際融資を申し込んだ企業サンプルで分析をすると、その差は2-3%に縮まる。
引用:独立行政法人経済産業研究時「女性は融資を受けられる可能性が低いのか?」
この分析によると女性は融資を申し込む段階で諦める傾向があるものの、実際に融資を申し込んだ結果としては差はほとんどなく、融資の審査通過率に関して男性と女性の間にほぼ差は無いという結果が出ています。
さらに別のデータでは日本政策金融公庫における借入時の金利に関して、男性が2.54%、女性が2.53%とほぼ同程度と示されており、貸付条件に関しても同等となっています。
つまりこれらのデータを総合すれば、女性起業が男性起業と比較して融資を受けにくいという考えは正しくはなく、同等の審査通過率と貸付条件で融資を受けることができるとなります。
女性起業は「サービス業・小規模」が中心だが融資による資金調達は可能
- 2023年時点で女性起業の割合は約25%であり、増加傾向にある
- サービス業が女性起業の40%以上を占める
- 従業員数の平均は3人ほどであり、個人経営の割合も多く小規模事業者が中心
- 男性と女性で融資の審査通過率や貸付条件に差はない
ここまでにご紹介した、女性の起業に関するデータをまとめると上記のようになります。
女性の起業家はここ数年で「サービス業」を中心に大きく増加しており、融資による資金調達に関しては「女性だから不利」と考える必要は全くありません。
起業を検討中の女性も性別を理由に諦める必要はなく、融資による資金調達を積極的に活用していただいて問題はありません。
自己資金なしでの融資は不可能ではない
金融機関から融資を受ける際には、「自己資金」が必要になる場合があります。
特に開業資金の調達を目的とした場合、自己資金が一定額あることが申込条件に含まれている可能性が低くはなく、自己資金の有無が開業資金の確保に成功できるかを大きく左右することもあり得るのです。
しかし自己資金なしで起業するための融資を受けるのは、決して不可能ではありません。
まずは「自己資金とは?」という疑問への回答や、自己資金の有無が融資に与える影響をご紹介させていただきます。
自己資金=「自分が所有しているお金」
「自己資金」とは、基本的には「自分が所有しているお金」や「手元で保有している現金」などの意味合いとなります。
個人の場合は自分で貯蓄した預貯金の多くは自己資金と認められますし、法人の場合では資本金が自己資金に該当すると考えていただいて大きな問題はありません。
しかし「手元にある全ての現金」が、自己資金として認められるわけではないのです。
場合によっては、あると思っていた自己資金が認められず、融資が受けれないというトラブルも起きかねません。
しかし自己資金としてみなされるケースと、みなされないケースが存在していることを、ある程度理解しておいていただくことができれば、そのようなトラブルが発生するリスクを大きく減少させることができます。
「出所が確かな現金」は自己資金と「みなされる」
以下のリストに挙げさせていただいたのは、自己資金としてみなされる可能性が高いものです。
- 預貯金
- 退職金
- 親族から相続した現金
- 所有する不動産や有価証券などを売却して得た現金
- 投資家からの出資によって得た現金
- 第三者割当増資
自己資金として認められるかの判断基準として、所有しているという事実だけでなく、出所がはっきりと証明できるかが重要なポイントとなります。
例えば親族から資金援助を受けた場合でも、書面などに正しく記載されていない場合は、自己資金とみなされない危険が高まります。
手元にあるお金で自己資金を用意しようとお考えの際には、「出所が確かと証明できるか?」という点にご注意ください。
「出所が不明な現金」は自己資金として「みなされない」
「出所」は自己資金と認められるかの重要なポイントとなり、「出所が不明な現金」は、例えまとまった額が用意できたとしても自己資金として認められない危険が大きくなります。
- タンス預金
- 借入によって用意した現金
金融機関に預けず、本当の意味で手元に保管している現金は「タンス預金」などと呼ばれます。
タンス預金は出所が不透明な現金として扱われるため、残念ながら自己資金とは認められません。
また自身で用意した現金であっても、借入によって確保した場合は「返済義務がある」という理由から、自己資金には該当しません。
たとえ無利息で借入が行えるとしても、借入によって確保した現金は自己資金には含まれませんので、注意が必要です。
また口座への入金の履歴などが確認されると、自己資金があると見せかける目的で用意した、いわゆる「見せ金」は簡単に見抜かれます。
見せ金と判断された場合は自己資金として認められないだけでなく、詐欺罪に問われる可能性もあるため、絶対に見せ金で乗り切ろうとしてはなりません。
融資に対する自己資金の影響
自己資金が融資に与える影響は、大きく分けて2つ考えられます。
1つ目は「利用対象となれるかどうか」という点です。
利用対象の条件に、融資希望額に対して一定の割合の自己資金を保有しているという項目が設定されている場合、自己資金ゼロでは利用対象となれなる可能性は非常に低くなります。
また自己資金の額が融資の上限額に影響を与える場合、希望する額の借入が行いないということにもなりかねません。
そして自己資金が与える2つ目の影響は、「審査通過の可能性」です。
金融機関は「貸倒れのリスク」に非常に敏感であり、自己資金がない状態での起業は貸倒れのリスクが高いと判断される可能性があります。
ある程度の自己資金を保有している状態での起業であれば、金融機関にとっての安心感も高まるため、審査通過の可能性も向上しやすくなるのです。
「自己資金がない=融資が受けられない」ではない
融資を受ける際に自己資金はあって困るものではなく、自己資金が用意できれば、融資額を含めた借入条件に関しても好影響を与える期待は高まります。
しかしそれは、「自己資金がなければ融資が受けられない」という意味ではありません。
女性が起業する際に自己資金なしでも融資可能な借入先は複数存在しており、その中で最適な選択肢を見つけることができれば、資金調達に成功できる可能性は十分にあるのです。
自己資金がないという理由で、女性起業を諦める必要は全くありません。
女性が自己資金なしで融資を受ける6つの選択肢
女性が自己資金なしで融資の審査に通過し、起業する為の資金を得るための代表的な選択肢は6つあります。
選択肢の中には女性を対象とした融資も存在しており、開業資金調達に大きく役立つはずです。
ここからは、6つの選択肢それぞれの概要や特徴を解説させていただきます。
どれを選ぶべきかは置かれている状況や求める条件によっても異なりますので、比較検討したうえで慎重にお選びください。
新創業融資(日本政策金融公庫)
日本政策金融公庫は政府が100%出資している政府系金融機関であり、民間の金融機関から融資を受けるのが容易ではない、中小企業や個人事業主に対しての融資に積極的です。
そんな日本政策金融公庫には、起業する際の資金調達に最適な「新創業融資制度」が用意されています。
- 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期を終えていない方が対象
- 融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)
- 担保や保証人は原則不要
新創業融資制度は起業を目指す方を利用対象に含めており、最大7,200万円という大きな額の融資にも対応可能です。
女性起業家にとって非常に頼りになる融資制度であるのは確かです。以前は「自己資金要件」が定められており、「創業資金総額の10分の1以上」の自己資金が求められていました。
例え貸付条件などに魅力があったとしても、自己資金要件があるとなれば、自己資金なしでの利用は不可能となっていました。自己資金要件には例外として、以下の条件を満たすことで申込みが可能となりました。
ただし、「お勤めの経験がある企業と同じ業種の事業を始める方」、「創業塾や創業セミナーなど(産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業)を受けて事業を始める方」などに該当する場合は、本要件を満たすものとします
引用:日本政策金融公庫 新創業融資制度
現在は、自己資金の要件が撤廃されたため、自己資金の無い方でも申請ができます。
新規開業資金(日本政策金融公庫)
日本政策金融公庫では、中小会計を適用する予定の方の起業を支援する「新規開業資金(中小企業経営力強化関連)」が利用可能であり、この制度を利用して事業を開始するための資金調達を行うこともできます。
- 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方が対象
- 自己資金要件なし
- 融資限度額7200万円(うち運転資金4800万円)
「新規開業資金(中小企業経営力強化関連)」は自己資金要件が設定されていないため、自己資金なしでの融資を探している女性起業家も利用対象となれる期待があります。
ただし「中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている方」などの利用条件が定められているため、これらの条件をクリアできるかが資金調達成功への大きなポイントとなります。
挑戦支援資本強化特例制度(日本政策金融公庫)
数多くの融資制度がある日本政策金融公庫には「挑戦支援資本金強化特別制度」も用意されており、この制度を利用することで開業資金の確保だけでなく、以降の資金調達をよりスムーズに行いやすくもなります。
- 資本制ローンであり、調達した資金は負債として扱われない
- 融資限度額7200万円
- 自己資金要件なし
- 地域経済活性化にかかる事業を行ない、税務申告を1期以上行っている場合は所得税等を原則完納していること
挑戦支援資本金強化特別制度は自己資金要件が指定されていないのも特徴ですが、この制度最大の特徴は、この制度を活用し得た現金は、他の金融機関での審査時に負債として扱われないという事です。
負債を増やさずに資産だけを増やすことができるため、挑戦支援資本金強化特別制度を活用することで。金融機関での審査通過の可能性を高めることができるのです。
ですが「技術・ノウハウ等に新規性がみられる」という条件が設けられており、この条件をクリアするだけの他の事業者にはない技術・ノウハウ面での魅力を有していることが求められます。
女性、若者/シニア起業家支援資金(日本政策金融公庫)
自己資金なしでの融資を希望する女性におすすめしたい4つ目の選択肢も日本政策金融公庫の制度ですが、「女性、若者/シニア起業家支援資金」は、女性起業家の利用を想定した制度となっています。
- 新たに事業を始める女性は利用対象に含まれる
- 融資限度額7200万円(うち運転資金4800万円)
- 自己資金要件なし
女性、若者/シニア起業家支援資金も、起業を目指す方や事業開始後おおむね7年以内という開業初期から中期の起業を支援するための融資制度です。
しかし大きな特徴となるのが、「女性」「35歳未満の男性」「55歳以上の男性」にターゲットを絞り込んでいるという点です。
これは国としても若者・シニアだけでなく女性の社会進出に大きな期待を寄せているという証です。
設備投資で返済期間は20年以内、運転資金の場合でも10年以内となっており、長期返済による無理のない支払いを求める女性にも適しています。
各地方自治体の制度融資
各地方自治体では、その地域で頑張る中小企業や起業を目指す方を対象とした、「制度融資」が用意されている可能性があります。
制度融資を利用していただくことで、信用保証協会からの保証が受けやすくなることや、保証料や金利に関する優遇が受けられる場合も少なくはありません。
また創業時の資金調達や、女性を対象とした融資を行っている地方自治体も存在しています。
ただし、どのような制度融資が存在しているかは各自治体によって異なるため、確認が必要になります。
各地方自治体のHP掲載情報のチェックやお問い合わせ、インターネット検索による情報収集をおすすめいたします。
「みなし自己資金・信用保証協会・担保」を活用する
すでに起業に向けて動き出しており、仕入れや設備投資を行っているのであれば、それらに支払った費用は「みなし自己資金」として認められる可能性があります。
領収書などの書類提出は必要となるはずですが、みなし自己資金と認められれば、融資の申込み条件を満たし審査通過の可能性を高めることも可能となります。
また自己資金なしでも信用保証協会からの保証を受けられる期待はあり、不動産などを担保とすることでも、女性が起業するための資金を融資によって調達できる可能性は高まります。
女性が融資に頼らず資金調達を行なう方法
この記事では、女性起業を自己資金なしで成功させるための融資の選択肢を中心に解説させていただきました。
しかし置かれた状況によっては、これまでにご紹介した選択肢でも資金調達に成功できないということも、起こりえない話ではありません。
もしそうなってしまっても、女性起業を諦めるには早く、「融資に頼らない資金調達方法」にチャレンジしてみることをおすすめします。
融資を受ける以上に難しい挑戦になる可能性もありますが、可能性はゼロではありません。
「まずは融資」と考えていただき、その次の選択肢として、これからご紹介する方法もご検討ください。
個人投資家やベンチャーキャピタルからの出資
個人投資家やベンチャーキャピタルが、将来の成長が見込まれる企業に対して行う「出資」は、資金調達に成功しても返済を行う必要性はありません。
また大きな額の出資を受けられる可能性があり、さらに出資者からのサポートを受けられる期待もあります。
ただし出資を受ける際には以下のポイントに注意が必要となります。
- 起業前の段階で、将来性など企業としての魅力を投資家に伝えるのが難しい
- 経営に対しての口出しを受けるリスクがある
投資家はただ善意で出資を行うことは稀であり、企業の成長後に株式を売却するなどして利益を得ることを主な目的としています。
そのため将来性のない企業に対して出資を行う可能性は低く、ある程度の結果を残し急成長が期待できる企業に対して出資を行う傾向があり、起業前から投資家の目に留まるのは簡単ではありません。
また出資を受けることができても、出資額や比率に応じて経営への影響力が強まることから、自由な経営が行いにくくなるリスクを高めることになりかねません。
クラウドファンディング
インターネット上で情報発信を行い資金提供を募る「クラウドファンディング」も、出資による資金調達方法の1つです。
ですが出資者が「不特定多数の個人」であることが大きな特徴であり、サービスや商品の魅力を伝える事ができれば、開業前から大きな資金を確保できる可能性もあります。
- 資金提供を行いたいと感じるサービスや魅力的なリターンが必須
- アイデアの流出に繋がる危険がある
実際にクラウドファンディングによって資金調達に成功した女性起業家は少なくはなく、アイデア1つで大きな開業資金を確保できる期待もあります。
ですがサービスや商品の魅力をより多くの人に正しく伝えなくてはならず、興味を引く情報発信を行わなくてはなりません。
また出資額に応じたリターンを設定する場合が多く、そのリターンに魅力を感じてもらうことができなくては、期待したほどの資金を集めることは難しくなります。
さらに詳細なアイデアを公表したことが、アイデアの流出に繋がるリスクも無視することはできません。
補助金・助成金
国や各地方自治体は、補助金や助成金による資金支援を行っています。
補助金と助成金は制度を管轄している団体が異なるという違いもありますが、もっとも大きな違いは助成金は募集要件を満たしていればほぼ確実に受給できるのに対して、補助金は予算などがあらかじめ決められており、審査や抽選によって受給対象が決定されるという点です。
しかしどちらも原則返済不要で資金調達が可能となり、さらに補助金・助成金の中には起業時の資金支援を目的とした制度が用意されている場合もありますので、積極的な活用をご検討ください。
- 手続きに時間がかかり申請してすぐに受給できるわけではない
- 後払いによる支給となっている制度も存在する
- 必ずしも申込可能な制度があるとは限らない
女性起業の際に限らず、補助金や助成金は資金調達時に利用価値の高い選択肢となります。
ただし必要な書類が多く作成が複雑であったり、準備に多くの時間と労力を必要とすることも少なくはありません。
また発生した費用を補助するタイプの制度の場合は、一度支払いを行なうだけの資金が必要になり、自己資金が全くない状況での利用には適しているとは言えません。
制度自体の内容更新や廃止も行われており、申込可能な制度を調べる必要があるのも注意点となります。
自己資金を増やせれば融資の期待は高まる
融資に頼らない方法での資金調達を行っても、必要な額を得られるとは限りません。
しかし自己資金をわずかでも増やすことができれば、融資による資金調達に成功できる期待が高まるのも事実です。
この記事でご紹介した融資による資金調達方法は、自己資金なしでも利用可能なものばかりですが、自己資金があることで審査に通過しやすくなる期待は小さくありません。
一度融資の審査に落ちたとしても、状況が変われば審査通過できる可能性は十分にあります。
自己資金を増やすのはもちろんですが、企業に関する計画やアイデアを練り直すことでも融資による資金調達に成功できる期待を高めることはできます。
女性起業を諦めず様々な選択肢を模索し努力することで、女性起業に成功する道は開けるに違いありません。