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「丸武事件」から見る外国人就労者雇用の注意点(6/7)

丸武の伊藤社長が、入管法違反で書類送検されました。

2018年3月には、ラーメン店「一蘭」でも同様に、不法就労をさせたとして社長以下7名が書類送検されるという事件が起きました。

なぜこのような事件が後を絶たないのでしょうか。

不法就労についての認識

TBS NEWSの取材に、社長は以下のような回答をしています。

Q.従業員の不法残留は分かっていて雇った
 「分からなかった」(玉子焼き店「丸武」 伊藤光男 社長)

Q.在留カードは見なかった
 「見たんですけど、自分にはよく分からなかったから」

(玉子焼き店「丸武」 伊藤光男 社長)

TBS NEWSより

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20190607-00000019-jnn-soci

伊藤社長は、不法滞在者を雇用していたことで入管法違反となりましたが、当の社長は「不法滞在だと知らなかった」「在留カードは見たがよくわからなかった」と釈明しています。

不法就労助長罪になるケースとは

不法滞在とは、いわゆるオーバーステイの状態です。

日本に在留する永住者以外の外国人にはそれぞれ在留期限があり、その期日を過ぎると不法滞在(オーバーステイ)となります。

法務省の統計によると、平成31年1月1日時点における不法残留者は7万4千人に上ります。
このような状態の外国人を雇用することは、出入国管理及び難民認定法第73条の2に規定される「不法就労助長罪」に該当し、外国人本人だけでなく雇用する事業主にも罰則が適用されます。

不法就労助長罪となる3つのケース

不法就労に該当するのは、以下の3つの場合です。

(1) 不法滞在者や退去強制させられた外国人が就労している場合
(2) 出入国在留管理局から許可を得ていないのに就労している場合
(3) 出入国在留管理局から許可された範囲を超えて就労する場合

今回の丸武のケースは(1)に当たります。不法就労助長罪は外国人就労者だけでなく、雇用している事業主にも同様に適用されます。

  • 出入国管理及び難民認定法
    第73条の2  次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

    一 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
    二 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者
    三 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした者


日本に在留する外国人は日本人とは異なり、在留目的から様々な就労の制限があります。許可されている目的を超えて就労することはできません。

「知らなかった」「在留カードを見てもわからなかった」という言い訳は、残念ながら通用しません。うっかり不法就労助長罪に問われないためには、正しい外国人雇用の知識を備えておくことが非常に大切です。

不法就労を防ぐためにできること

では、不法就労を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?

(1) 在留カードを確認する

オーバーステイかどうかについては、在留カードを見て確認します。日本に在留する外国人は、身分証明書である「在留カード」を携帯することが義務付けられています。在留カードには、氏名、国籍、生年月日のほか、現在所有している在留資格、在留期間、在留期限などが記載されています。

(2) 中長期在留者の受け入れに関する届出

では在留カードの偽造のケースではどうでしょう。在留カードの偽造も後を絶たず、平成60年には620件に上りました。オーバーステイ状態となってしまった外国人が、こうした偽造在留カードを所有していることは十分に考えられます。
在留カードを見ても、適切な在留資格を持って在留し、期限もまだあります。非常に精巧に作られているため、外見からは判断できません。こういったケースでは、どのように予防すべきでしょうか。

引用:産経新聞
https://www.sankei.com/affairs/news/190129/afr1901290001-n1.html

外国人を雇用した場合、それが正社員でもアルバイトでも、雇用主は雇用開始日から14日以内に「中長期在留者の受け入れに関する届出」を管轄の出入国在留管理庁に提出することが義務付けられています。

仮に偽造在留カードを所持している場合でも、この届出さえきちんと行えば、出入国在留管理庁のデータベースと照会して不法滞在であることが明らかになり、不法就労を予防することができます。

雇用の際には在留カードを確認するだけでなく、必ず出入国在留管理庁に届出を行うようにしましょう。

まとめ

日本を訪れる外国人の数は、この10年で爆発的に増加しました。都内ではコンビニ、飲食店などの至る所で外国人が活躍しています。
2019年4月に入管法改正による「特定技能」の創設、告示改正による留学生の受入業界の拡大など、外国人にとっては以前に比べて日本で就労するチャンスが増えています。

その一方で、雇用する企業の外国人雇用に対する知識は低いと言わざるを得ません。日本の労働人口の減少も相まって、外国人の雇用を検討する企業は今後さらに増加していくでしょう。人事担当者だけでなく社長や店長など、外国人雇用に関わる全ての人が、適切な知識を持って雇用することが大切ですね。

経営管理ビザの基礎4 事業計画作成のポイント徹底解説!

こんにちは。
行政書士法人GOAL ビザ行政書士の中楯です。
さて、今日は、かなり踏み込んだ事業計画の話をしようと思います。

事業計画は会社の設計図

事業計画といえば、起業の際には欠かせない、会社の設計図ですね。
会社を作るのですから、利益を出すということは誰にとってもプライオリティの高いことだと思います。
前もって計画立てておくことは必須です。
起業は船出に似ています。
「ビジネスを成功させるためには、夢を抱いてその夢に酔うと言うことがまず必要だ。」
日本の有名な起業家の言葉です。
夢に酔っても船に酔わないよう、しっかり事業計画を立て、進むべき道を明確にしましょう。

経営管理ビザにおける事業計画のポイント

経営管理ビザの申請においても、事業計画は非常に重要な役割を果たします。
とはいえ、融資を受けるレベルのものまでは要求されません。
ポイントは、
 

  • What(何を)
  • Where(どこへ)
  • Who(誰に)
  • How(どのように)
  • How much(いくらで)


 
です。
取り扱う商品はどのようなものか?
それをどこから仕入れるのか?
商品を誰に売るのか?
どのような方法で売るのか?
いくらで仕入れ、いくらで売るのか?
これらの項目をカバーした事業計画書を作ります。
そして、これらを裏付ける資料として、契約書があると許可の可能性が非常に上がります。

審査官を納得させる資料作りを心がけよう

いくら上述の項目を網羅した素晴らしい事業計画を作っても、果たして本当に実行できるか?机上の空論になっていないか?という疑問が残ります。
それを客観的に証明するのが、取引基本契約書や業務委託契約書といった契約です。
とはいえ、設立間もない会社が契約を結ぶのは難しいです。
ですから、契約は可能であればというくらいです。
「取引先が決まったらこういう契約をします」という雛形を出すだけでも印象が違います。
つまり、不確定要素が多い中で、どれだけ審査官に
「この人は本当にこのビジネスを実行する気があるんだな」
と納得させるだけの事業計画を準備することが大切です。

損益計画も忘れずに

損益計画とは、総売上、経費、利益の計画です。
総売上は、売りたい商品をいくつ売るかで総売上が計算できます。
そこからあなた自身の給料、仕入れ値、事務所家賃などの経費を引くと利益がわかります。
これを1か月単位で作っていき、1年、3年、5年と大きな計画にしていきます。
いくつ売れば黒字になるという、「損益分岐点」を知ることもでき、とても役に立ちます。
細かい計算になりますが、妥協せずに緻密な計画を立てることができれば、ビザの取得だけでなくビジネスの成功もとても現実的になりますね。

今回のまとめ

事業計画は、ビザのためだけではなく、ビジネスの行く先を左右する大事な設計図です。
夢に酔いしれながら、かつ現実を見据えて作成しましょう!
次回は、実際に申請に使用した事業計画書を用いて、ポイントを解説していきます。
それでは。
 

就労ビザの申請が不許可になってしまった際に知っておきたい3つのこと

就労ビザが不許可になってしまった!

外国籍の方が日本で就労したい場合、就労するための「在留資格(就労ビザ)」を取得しなければなりません。
ですが、日本の就労ビザの審査は世界でも1,2を争う狭き門と言われています。
そのため、申請をしても残念ながら不許可となってしまうことも、当然あります。
入社試験を通り、必ずや会社の発展に貢献してくれると期待していた人の申請が不許可になってしまった場合、本人にとっても会社にとっても大きな損害となるでしょう。
もし不許可という結果が到着した場合、必ず行って頂きたいことがありますので、
今回はこの点をお話していきます。

就労ビザが不許可となってしまった!その時の対応は?

残念ながら申請の結果が不許可となってしまった場合、慌てずに以下の3つのことを必ず行ってください。

不許可の理由を確認する

申請が不許可となった場合、入国管理局から通知が到着します。
しかし、その通知には具体的なことは書いていないため、何がダメだったのかがよくわかりません。
そこで、より詳しい不許可の理由を、入国審査官から直接聞くことができます。
したがって、まずは申請のどの部分が悪かったのか?を明確にすることが重要です。
不許可の詳細な理由は、残念ながら電話では教えてくれませんので、
申請した入国管理局の就労審査部門に直接行く必要があります。
事前の予約等は不要ですので、時間がある時に入国管理局へ行きましょう。
その際、申請書類の写しがあるとより効果的です。

外国人の在留期限を確認する

外国人が現在海外にいて、呼び寄せる申請で不許可になってしまった場合は、
期限はありませんので問題ないのですが、
在留カードを持って日本にいる外国人の場合、日本に在留することを許可されている期間、つまり「在留期限」を奇にしなければなりません。
カードに書かれている在留期限までに何らかのアクションを起こす必要があります。
そのアクションとは大まかに次の2つに分かれると思います。

  1. 再申請をする
  2. 帰国する

1.不許可の理由が書類の記載ミスや説明不足で内容がうまく伝わっていない場合は、再申請をすることができます。この場合は、その部分をリカバーした資料を用意し、在留期限までに必ず申請をしてください。
2. 不許可の理由が、アルバイトのしすぎや在学時代の出席不良など、いわゆる「在留状況不良」とまとめられるものの場合、いったん帰国して在留状況不良をリセットすることができます。
この場合でも再申請は可能です。
しかしながら、不許可の理由が「学歴・職歴の不足」「業務内容」といった要件の部分のときは、再申請それ自体は受け付けてもらえるものの、それをクリアするまでは許可はまず出ません。
こうなってしまった場合は、大学に入り直す、業務内容を再検討するといったことが必要となります。

再申請の準備をする

海外からの呼び寄せでも、現在のビザを変更する場合でも、再申請は可能です。
資料を不足なく揃え、場合によっては前回不許可となった理由の説明資料を添付する必要もあります。
同じ資料をまた1から集め直すのは非常に大変ですので、初回の申請から3か月以内であれば、
「転用届」というものを提出することで、前回の資料をまた使用してください、ということができます。
不許可の原因となった部分だけ改善した資料を提出し、その他は転用届でOKです。

今回のまとめ

不許可となってしまっても、その理由をきちんと確認し、改善をすれば許可を得られる可能性は十分あります。
入国管理局では、不許可の理由をきちんと細かく説明してくれますし、質問すれば答えてくれます。
再申請を行いたい意思を伝えれば、許可が出る可能性があるかどうか、あるのであればどこをどのように直せばよいのかを教えてくれます。
「不許可」という言葉が非常に強烈なインパクトが有りますので、混乱してしまうかもしれませんが、
慌てずに対処し、再申請で許可を得ることができるようにしましょう。
それではまた次回のコラムでお会いしましょう。

更新の手間を省きたい!3年、5年の就労ビザを取得するためには?

日本に在留する外国人は、永住者を除いて、「在留期限」というものがあります。
ビザを取ったからといって、ずっと日本にいられるわけではないのです。
その期限までに更新をするか、帰国をしなければなりません。
就労ビザでは、3月、1年、3年、5年の4種類があります。
当然、長い方が更新の手間も省けますから3年、5年のビザが欲しいですよね。
今回は、3年ビザ、5年ビザを取得するためのヒントをお伝えします。

3年ビザ、5年ビザを取得するためには

まず前提として、3年、5年ビザを取得するのは難しいです。
就労ビザを持っている人の多くが1年ビザです。
申請書には就労予定期間と希望する在留期間を記入する部分があります。
しかし、これはあくまで本人の希望で、期間を決定するのは入国管理局です。
3年の就労予定期間で、3年の希望を出しても1年となることが多いです。
では、どのようにすれば3年や5年のビザがもらえるのでしょうか?
キーワードは「安定・継続性」です。

就労ビザの期間を決める「安定・継続性」とは

入国管理局が1年の期間しかくれないのは、その人が安定して日本にいられるかを1年ごとに確かめたいからです。
「更新を3年にして、仕事を減らして楽しよう!」とはならないのです。
更新の時には申請人は納税証明書を提出しますが、これは収入を見ているんですね。
稼いでいれば、仕事の面でも税金の面でも日本に貢献してくれているのです。
そうなると、「この人はこの地位をしばらくは守って行くと思われる安心な人だ」と判断されて、
「じゃあ3年(5年)ビザをあげよう」となります。

会社の規模も検討材料

加えて、会社の規模も大きな影響があります。
入国管理局は、会社を4つのカテゴリーに分けています。
カテゴリーが高い(=大きい)企業ほど、雇用が安定・継続するとみなされ、こちらも3年ビザ、5年ビザが出やすくなります。
これらを総合的に判断して、入国管理局は在留期間を決めています。

更新し続けることで3年、5年がもらえることも

「収入がそこまで多くなく、会社の規模も大きくない場合は永遠に1年のままなのでしょうか?」
もちろんそんなことはありません。
同じ企業でコツコツと更新を続けていると、「安定継続性あり」と判断されて、やがて3年ビザは必ずもらえます。
すぐにもらえることはないですが、1年→1年→3年や、1年→1年→1年→3年というパターンが多いように感じます。
1年しかもらえなくても、我慢強く更新を続けることで長期ビザがもらえます。

今回のまとめ

3年、5年の就労ビザがもらえる原則的な考え方は、「安定的・継続的に在留していると思ってもらうこと」です。
これを踏まえ、ポイントは以下の3つに分けられます。

  1. 収入が多いこと
  2. 所属する会社の規模が大きいこと
  3. 更新を続けること

一番の近道は、大企業に入社することです。
といっても、長いビザをもらうためだけに大企業を選ぶということでは本来の目的を見失ってしまう恐れがあります。
一番大事なことは、日本で働くことを通して人生を充実させることです。
収入にあまり変化がなく、会社の規模が大きくなくても、転職を急ぐ必要はありません。
在留期限については、いずれ3年・5年をもらうことができますので、ぜひ自分がやりたいと思った仕事を行い、日本での生活が良いものとなるようにして頂きたいと思います。
 

難民認定制度が変わる!(1) これまでの難民認定制度の現状

こんにちは、入管専門行政書士 中楯です。
2018年1月12日、法務省はついに難民認定制度の大きな転換に乗り出しました。
「難民」というと、どのようなイメージを持っているでしょうか?
欧米でのニュースなどでよく耳にするこの言葉。
政治的・人道的・宗教的な問題が自国にあり、それらからの迫害から逃れるために外国へ逃れる人々のことです。
日本に難民が来るなんて聞いたことがない方も多いでしょう。
ですが、日本にも難民を保護するための難民認定制度があります。
そしてそれらの申請を処理するのは入国管理局です。
この難民認定制度が、これまで大きな問題となっていました。

難民認定制度の許可率はどれくらい?

難民と認定されると、「定住者」という在留資格(ビザ)をもらうことができます。
「定住者」ビザは、就労制限がない比較的安定しているビザです。
しかし、難民申請の許可は非常に低いものです。

申請数 許可数 許可率
平成24年度(2012年) 2,545人 18人 0.7%
平成25年度(2013年) 3.260人 6人 0.2%
平成26年度(2014年) 5,000人 11人 0.2%
平成27年度(2015年) 7,586人 27人 0.4%
平成28年度(2016年) 10,901人 28人 0.3%

過去5年をみても、1%を超える年はありません。
およそ200~500人に1人という、恐るべき許可率の低さです。
難民認定された人々の国籍は、アフガニスタン、エチオピア、エリトリア、バングラデシュなど、まさに難民が多い地域です。

 なぜ?増え続ける難民申請

上記の表を再度ご覧ください。
許可の可能性は非常に低いにも関わらず、申請者の数が爆発的に増え続け、2016年度はついに1万人を越えました。
なぜ、不許可となる可能性が極めて高い難民申請をする人が増え続けているのでしょうか。
答えは「便利」だからです。
難民申請は、申請書の様式さえ満たせば誰でも申請ができ、必ず受理してもらえます。
そして、審査期間中は「特定活動」というビザが与えられ、就労もできます。
特定活動の期間は6か月であり、それまでに審査の結果が出なければ更新できます。
そして仮に不許可となったとしても、何回でも申請ができます。
半年に1回入国管理局に行く、これを繰り返すだけで仕事をしながら適法に日本に在留することができる。
こういう制度なのです。

一時しのぎに難民申請をする人々

「難民申請をすれば日本で生活することができる」
だんだんとこのような噂が広がり、本来は出国しなければならない人たちが申請をするケースが増え、
ついには1万人を超える申請数にまでなってしまいました。
留学ビザで来て、学校を辞めてしまった人、技能実習で来て辛い仕事から逃げた人、
果てには最初から難民申請目的で、観光で来てそのまま入国管理局に駆け込む人。
あまりの節操の無さに、法務省は2018年1月、難民認定制度の適正化のための更なる運用の見直しを発表しました。
 

難民認定制度はこう変わる!

新たな難民認定制度では、申請後2か月以内に、以下の4つのカテゴリーに分類します。

  1. 難民認定の可能性が高い人
  2. いずれにも該当しない人
  3. 明らかに難民に該当しない人
  4. 再申請者

1.については在留を認め、就労も認めます。
2.についてはこれまで通り、就労を許可しながら審査を継続します。
3.と4.については在留期限後に強制収容、もしくは退去強制手続きをとります。
申請者の国籍などを見ても、3.と4.が大半を占めることは明白ですので、これが運用された際には多くの難民申請者が収容もしくは出国を余儀なくされることとなるでしょう。
対応としては非常に厳しいものと言わざるを得ませんが、それほどの社会問題となっているということです。

今回のまとめ

難民認定制度は、本来母国からの迫害から逃れてきた人々を保護するための制度です。
ですが、その制度を利用して不当に日本に残留する人が増えてしまった結果、収容もしくは強制送還という措置を取らざるを得なくなってしまっています。
次回のコラムでは、既に難民申請を行ってしまっている外国人が難民申請から脱却し、適切な在留をするための方法を解説していきたいと思います。

就労ビザ取得のための必須要件!「学歴要件」について知ろう

こんにちは、行政書士法人GOAL 入管担当の中楯です。
今日は、就労ビザ取得に欠かせない、「学歴要件」について紹介します。

「学歴」はビザ取得のための重要な要素

ビザを取得する際、まず頭を悩ませるのが、申請人となる外国籍の方がそもそも要件を満たしているか?という点だと思います。

この要件を簡潔に説明すると、満たすべき要件は2つあります。
その2つとは、「学歴」「業務内容」です。
今回は、この学歴の部分の話をしていこうと思います。
ビザを申請する時に、必ず満たさなければならない学歴要件ですが、これが少し複雑です。
入管法には、「大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと」と規定されています。
 

「大学と同等以上の教育を受けたこと」とは?

この「これと同等以上の」というのがどういう学校なんだろう、ということなのですが、つまり短期大学、大学院も含まれるという解釈です。
これらの学校は海外のものも含まれます。
また入管法は、日本の専門学校を卒業した方でも、この学歴要件を満たすとしています。
ただし、専門学校に限っては海外の学校は含みません。
まとめますと、
  • 日本であれば専門学校、短期大学、大学、大学院
  • 海外であれば短期大学、大学、大学院

以上を卒業していれば要件を満たすということになります。

 ただし、専門学校の場合は、「専門士」の資格が授与されていることが必要です。
「専門学校」と銘打ってある学校であればたいていは卒業と同時にもらえるのですが、まれにもらえない学校もありますので注意が必要です。
ちなみに、
  • 短期大学は「準学士」
  • 大学は「学士」
  • 大学院は「修士」「博士」
といった学位が授与されます。
修士や博士は、耳なじみがあると思います。

卒業証明書を見て、要件を満たす外国の学位を確認しましょう

海外の大学の場合、卒業証明書を見て要件を充足しているか確認することができます。
「準学士」は「Associate」
「学士」は「Bachelor」
「修士」は「Master」
「博士」は「Doctor」
とそれぞれ訳されていますので、卒業証明書に上記のいずれかの単語が入っていれば学歴要件はクリアということになります。
学校の制度は国によって異なりますので、一概に上記の枠に当てはまらないこともあります。
外国人本人が大学だと思っていても、実は専門学校に該当するものであった場合は、そもそもビザを取れない、ということになってしまいます。
逆に、上記の学士に関連する単語が卒業証明書に入っていなくても、日本の大学相当の学校であれば要件を満たすことになります。
フランスなどは特殊な学制を採用していますから、大学レベルの教育を修了してもBachelorやMasterなどの単語は卒業証明書には入りません。
特に、「Diploma」という単語は非常にくせ者で、「学士」に該当することもあれば、日本にもある職業訓練学校の「修了証明書」に該当することもあるのです。
このあたりは国の学校教育制度や学校の修業年限や授業の内容にもよりますので、判断に迷われた場合は是非ご相談ください。

最終学歴が高校卒業の場合でもあきらめないで!

「最終学歴が高卒だから難しい」
とあきらめる方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、上記の学位を持っていない場合でも、実務経験によって要件を満たすことが可能な場合があります。
業務内容によって異なりますが、3年、または10年の実務経験を証明できれば最終学歴が高卒でも許可の可能性は十分あります。
この点につきましては、また次回のコラムで解説します。
それではまた次回!

一蘭の外国人逮捕!留学生の雇用でこれだけは気を付けよう!

アルバイト外国人の違法就労について

こんにちは、行政書士法人GOAL 入管担当の中楯です。
先日、有名ラーメン店「一蘭」でアルバイトの外国人が逮捕されるという大きなニュースがありました。
このニュース、なかなか難しい問題を投げかけていると思います。
逮捕されてしまった外国人は、専門学校を除籍となったため就労資格がなかったにも関わらず就労していたということですが、この点を少し解説します。

留学生が持つ「資格外活動」とは

学校に通う目的で日本に来ている外国人は、あくまで学業が目的のため、就労は原則できません。
でも日本で生活していくためには、自分でアルバイトなどをして生活費を工面する人がほとんどです。
そこで、「資格外活動」という許可を受けることで、週28時間までの就労が認められます。
事業主は、アルバイトとして採用する前に、資格外活動許可を受けているかを確認しなければなりません。
資格外活動許可を受けているかは、留学生が携帯している「在留カード」の裏面を見ることでわかります。

ただし、先にも申し上げたように、本来の目的は学校での勉強です。
この資格外活動は、学校に通っている間だけ有効となります。
この点を知らない人は多いと思います。
というのも、学校を辞めても直ちに帰国させられるわけではないですし、在留カードに何も変更がないからです。
そのまま学校に通わず滞在していても、本人が入国管理局に行く必要もないですし、わざわざ入国警備官が家まで来て捕まえに来ることもほぼなく、記載されている期限まで日本に残れることがほとんどです。
ですから、学校を辞めてもアルバイトは続けられると思ってしまい、学校に行ってないことを会社に報告せずに就労を続けてしまうのではないかと思います。
退学したかどうかは、雇っている側はわかりません。
学校は、学生が退学した場合それを入国管理局に報告する義務がありますが、アルバイト先にまで報告することはあまりないとのことです。
そのため、今回のようなことが起きてしまうのも無理はないのでは、という気もします。
それでも、今回のようなケースでは雇っている側が退学の事実を知らなくても不法就労助長罪が適用され、厳しいペナルティが課されてしまいます。
退学になった事実を会社側が知っていたのであれば、明らかに問題ですが、大きな会社になればなるほど全員の在学状況を把握するのは難しいでしょう。
その結果、今回の逮捕にまで至ってしまったのだと思います。

雇用している側は必ず定期的に学校の在籍状況を確認してください

では雇用している側はどうすれば良いでしょうか?
従業員管理は重要ですが、上記のように学校に通っているかどうかの管理を行うことは難しく、また例えば毎月留学生に在学状況を確認するとしても、学校に通っていますと言われればかといって、全員の学校に電話して在籍しているかを毎月毎月確認するのは現実的ではありません。
私個人としては、学校側の協力が不可欠だと思います。
学校は学生のアルバイト先を把握しています。
退学したら、資格外活動がなくなることも分かっています。
ですから、入国管理局への報告とともにアルバイト先への報告も義務付けることで、このような事案は減ると思います。
同時に雇用する側も、これを機に資格外活動に努めていただき、店舗レベルで従業員管理の重要性を認識することが再発防止となるのだと思います。
それではまた次回!

ビザを申請する場所はどこ?入国管理局の構造と管轄

こんにちは、行政書士法人GOAL 入管担当の中楯です。
今回は、入国管理局についての話です。

ビザ関係の申請は「入国管理局」に行きましょう

ビザを申請するのは、法務省の管轄にある「入国管理局」というところで、
入国管理局は札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡の計8ヶ所あります。
それぞれの都道府県に出張所があり、以下の図のように区切られています。
 

例えば静岡県に住む外国人がビザの申請したい場合は、名古屋入管だけでなく静岡出張所、浜松出張所にも申請をすることができます。
東京の方であれば、品川の東京入国管理局か、立川の出張所に申請ができます。

申請場所に注意!

ここで1点注意しなければならないことがあります。
申請の場所は、認定申請ならば就労場所を管轄する入国管理局、
変更申請ならば申請人の住所を管轄する入国管理局となります。
「認定申請」とは、海外から呼び寄せる場合の申請です。
例えば本社が東京にあり、支店が大阪にある会社が、大阪で外国人を雇用したい場合は、
大阪入国管理局で申請しなければなりません。
「変更申請」とは、すでに在留カードを持って日本に住んでいる外国人がビザを変更する場合の申請です。
例えば広島の大学に通っていて、居住地が広島市の留学生が東京の企業に就職が決まって、
就労ビザの申請をするときは東京入国管理局ではなく名古屋入国管理局に申請をしなければなりません。
この点は少し注意が必要です。

留学生によくある、引越し前後の申請の注意点とは

さらに話が細かくなりますが、「変更申請」の場合は、申請をして許可されると、新しい在留カードを受け取りにも行かなければなりません。
ここでケーススタディをしてみましょう。
福岡市の大学に通っていたAさんが、東京に本社がある企業の北海道支店での就職が決まりました。
「留学」ビザから「技術・人文知識・国際業務」ビザに変更申請をしなければなりません。
まず、申請する入国管理局は、申請人となる外国人の住所を管轄するところですので、
東京でも札幌でもなく、福岡入国管理局となりますね。
Aさんは北海道に勤務が決まったので、早速物件を探し、北海道に引っ越しをすませました。
その後、無事に就労ビザの申請が許可され、それを通知するハガキが転送されて到着しました。
受け取りは…福岡入国管理局です。
Aさんは新しい在留カードをもらうためだけに、福岡に行かなければなりません…
これはちょっと極端な例ですけど、こんなことはあり得る話ですね。
電話をして変更してもらうこともできますが、場合によってはとても時間がかかってしまい、
入社日に間に合わない可能性も出てきます。

こうしたことを防ぐために、申請をしてすぐに引っ越す場合は、
それを申請と時に入国管理局で申告すれば、受け取りを引越しの管轄の入国管理局に変更することができます。
Aさんは、福岡入国管理局で申請をする時に、
「受け取りを北海道にしたい」と言っておけばよかったということになりますね。
とはいえ、口頭で言うだけでは審査担当者に万が一伝わらない可能性もありますので、
「引っ越しをするため、受け取りを○○入国管理局にしたい」と書面にして付けておくのがベストでしょう。

今回のまとめ

海外から呼び寄せる認定申請ならば就労場所を管轄する入国管理局に、
現在日本に住んでいる外国人がビザを変更する「変更申請」は、申請人の住所を管轄する入国管理局に、
それぞれ申請をします。
認定申請の場合は許可されたときには許可証明書が直接郵送されてきますので問題ないのですが、変更申請の場合は、新しい在留カードの受け取りもしなければならないため、申請直後に遠方へ引っ越しをする場合には申請の時に受け取り場所を明示しておきましょう!

外国人を雇うためには許可が必要!日本の在留資格制度とは?

行政書士法人GOAL 入管担当の中楯です。
日本でも外国人を雇用する企業がどんどん増えていますが、外国人を初めて雇用する時には必ず行わなければならないことがあります。
今回はその手続きの流れをついて詳しく紹介します。

「ビザ」とは?

私達が外国に行くときにも、「ビザを取得する」という手続きが必要になります。
つまり外国に滞在するための「許可」ですね。
同じように外国人も、日本に来る際には原則的に「ビザ」を取得しなければなりません。
そして、日本で働くためには「就労ビザ」が必要です。※「就労ビザ」とは正式な名称ではないですが、このように呼ばれ方が一般的ですので、当コラムでも「就労ビザ」と呼ばせていただきます。

「就労ビザ」とは?

正式名称は「在留資格」といいます。
外国籍の方が日本に来るときに、滞在中の目的によってこの在留資格が与えられます。
滞在の目的が仕事の場合は、「就労ビザ」を取得しなければ日本で働くことはできません。

「就労ビザ」申請について

要件を確認しよう

入国管理局を管轄する法務局は、就労ビザ取得のために、基準を設定しています。
その基準をクリアすると、許可が出されます。
基準は大きく分けると、次の3つに分けることができます。

  1. 申請人となる外国人の学歴・職歴
  2. 雇用する会社で行う業務内容
  3. 給料
申請人となる外国人の学歴・職歴

学歴の要件と職歴の要件のいずれかを満たす必要があります。
学歴は、海外の大学、日本の専門学校、日本の大学を卒業していること
職歴は、3年もしくは10年の実務経験があること
この学歴、職歴につきましては日本で従事する業務内容によって異なりますので、
改めて詳しく説明したいと思います。

雇用する会社で行う業務内容

業務内容は、あらかじめ法令で定められているものでなければなりません。
どの業務が該当してどの業務が該当しないかは個別の判断になりますが、
ざっくり言いますと「日本人でもすぐにできるような業務」は該当しません。
例えば貿易や翻訳などは、外国語を使用するのでばっちり該当します。
外国人だからできること、日本人でもなかなかできないような業務ということですね。

給料

外国人だからといって安い賃金で働かせてはいけません。
日本人と同等以上の給与で雇用することが要件となります。
以上の3つの要件を満たすかどうか、まずは確認してください。

就労ビザ取得までの手続き、期間は?

就労ビザを取得するためには、書類を準備し、事前に最寄りの入国管理局へ申請をして、許可を得る必要があります。
この申請が一番の山場です。しっかりと書類を準備して、申請に臨みましょう!
必要書類は、法務省のホームページからダウンロードできます。
ただし、こちらも手続きの種類や就労ビザの種類をまず確認する必要があります。
たとえば海外から呼び寄せる場合は「在留資格認定証明書交付申請」、
現在のビザから変更する場合は「在留資格変更許可申請」となります。
申請してから結果がでるまでは、海外からの呼び寄せの場合およそ3か月、
今のビザを変更する場合はおよそ1か月ほどです。

就労ビザを取らないで働かせるとどうなるの?

就労ビザを持たない外国人を雇用した場合、ぞの事業者は「不法就労助長罪」に問われます。
罰則は、3年以下の懲役若しく300万円以下の罰金、これが併科されることもあり、
非常に重いものとなっております。
これは、上記の制度を「知らなかった」では済まされない、厳しいものなのです。
これらのペナルティはあなたの事業だけでなく、その外国人の今後の在留も危うくするもので、
当然いいことは1つもありません。
このような事態を避けるため、上記の手続きをきちんと行い、
適正な外国人雇用を心がけましょう。

経営管理ビザの基礎3「資本金は見せ金でもいい?」

経営管理ビザの基礎1「資本金500万円必要は間違い?その1」
経営管理ビザの基礎2「資本金500万円必要は間違い?その2」


行政書士法人GOALのビザ担当の中楯です。
外国人が一人で経営管理ビザを取るためには、資本金が500万円必要です。
ではこのお金、資本金の振込のときだけ友人から借りたりして調達する、いわゆる「見せ金」でも良いのでしょうか?

 

「見せ金」はNG!

見出しに早速結論を書いたのですが、見せ金はダメです。
会社を設立する際には問題にならないのですが、経営管理を申請する際にはこの点は厳しく見られます。
どうやって500万円以上のお金をためたのか、様々な資料を用いて証明していきます。
ここでは「自己資金の場合」と、「お金を借りる場合」に分けて、証明資料の例を挙げていきます。

自己資金の場合

自己資金の場合は、資本形成過程がわかるものを提出します。
要するに、「どのようにお金を貯めてきたか」です。
日本で働いて貯めた場合は、たとえば、通帳のコピーを出したりします。
外国で働いて貯めていたものを使用する場合は、残高証明書だけでなく、預金明細を出すのも良いでしょう。
タンス預金は、客観的に証明できないのですが、主張することはできます。
ビジネスのために貯めたのであれば、どんどんアピールしましょう。

お金を借りる場合

500万円は簡単に貯められるものではありません。
全て自己資金でないとビザが許可されないというものではなく、知人や家族に貸してもらう場合でも許可は出ます。
ですが、お金を借りたのであれば返す義務があります。その契約書を交わさなければなりません。
日本では、お金の貸し借りをする際には一般的に「金銭消費貸借契約書」というものを交わします。口約束はトラブルのもとですから、このようにしっかりと法的に有効な契約書を交わし、それを入国管理局に提示する必要があります。

ただ、これだけでは不十分です。
貸主との関係と、貸主の資本形成過程がわからないからです。
貸主が友人であれば、どのように友人になったかという経緯や、貸主の収入証明が必要です。
貸主が親の場合は、親の在職証明や預金明細などに加え、親子関係が分かる資料を添付する必要があります。
お金を借りるときは、貸主についてもさまざまな証明が必要となってきます。

資本金の出どころは「本気度」を表す!

「自己資金の場合」と、「お金を借りる場合」を見てきましたが、
許可が出やすいのは確実に自己資金の場合です。
自己資金の比率が高いと、審査官も
「おっ、この人は自分でビジネスをするために一生懸命お金を貯めたんだな。頑張ってほしいな。」
と思ってくれます。
資本金は、申請人の「本気度」を表すものさしです。多ければ多いほど許可の後押しになるわけです。

今回のまとめ

資本金は、自分が出せば出すほど審査には有利です。
ですが、お金を借りる場合でも、これから始めようとする事業について明確なビジョンがあり、それを確実に成功させ、お金を返していけるという高い志があるのであれば、許可は出ます。
最も大切なのは「ビジョン」、つまり事業計画です。
次回はこの事業計画についてお話したいと思います。